第10話

「喧嘩しちゃだめだよー」


「雪乃、俺めっちゃ雷さんについて詳しくなったからな」


「は?あんたになにがわかるの?雷くんのこと私のほうが知ってるのに!偉そうにしてて」


「じゃあ帰る」


「待って待ってー携帯!教えてー」


「だめだめ!雪見なんか」


「弟なんだよ?」


「ありがとうございます。教えます」


「偉そうにしないで!」


雪乃うるせー。雷さん、俺の話とかどこまで覚えてるのかな?成功を祈る。



「バカやろーーー!遅刻すんな!」


まったりしすぎて仕事に遅刻してしまった。隼人はやとが怒った。


「ごめん、ちょっと兄と会った」


「兄?お前兄がいた?」


「姉の旦那のこと」


「お前、最近行動的だなぁ」


「隼人は?誰かと会った?」


「いや。俺は両親いなくて施設だし。兄貴と会うくらいかな」


「そっか。組の仕事って大変?」


「いや、俺は下っ端すぎて何も言えん」


「ふーん?上に行きたい?」


「別にー」


「隼人は彼女とか欲しい?」


「今のところいらない」


「へー」


「じゃなくて!お前着替えろよ!」


「あー、そうだそうだ」


「さっさとしろ」


雷さん、俺はいっつも隼人に迷惑かけてるけど、別にそれがなに?

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