夢を見る

第18話

「雪見、おい!」


隼人はやとはなんか怒ってる。


「え、なに?」


「お前、寝てないのかよ?ぼーっとしすぎ」


「寝てるけどなぁ」


また夢を見た。そうすると眠れてない気分になる。寝入るときにしか見ないのに、寝てない感じがする。結構寝てるはずだけど。


夢はこうだ。

悠星さんの息子、悠人ゆうとさんがいた。どこかの動物園にいるのだが、なぜか危険な動物に近づいて…あっけなく噛まれて、入院。というもの。それが痛そうで…。入院先で1人で寂しそうにしている。


怪我をなぜしたんだ?


「動物園ってさ」


「は?」


「どこにある?」


「知らん」


「あー。みるくに聞こう」


「…お前、嫁とデートすんのか?」


「デートって?」


「は?デートしないのかよ?2人で出かけるっつーやつ。散歩とかもデートだろが」


そんなのやった?


「デートとかしてない」


「どーやって仲良くなるんだよ!」


「…うーん、公園でしゃべった」


「それデートだろ!金払うデートもやってみろや」


「金ない」


「…お前さぁ、簡単に結婚とかしたけど大丈夫なのかよ?天野様から金借りたんだろ?」


「…まぁ、そうだけど」


「かわいそうな嫁」


みるくは、別にかわいそうじゃない。みるくから結婚したいって言ったし。


「動物園って行ったことないけど、動物触れんの?」


「知らねーよ」


「あっそ」


あ!そうだ。いいこと思いついた。


「おい、ガキ。仕事しろや」


お客に睨まれた。別にあなたに関係ないのに、注意したくなるお年頃なのか?今はオーダー待ちなんだよ。


「すみません」


「ったく、うざいな」


隼人は、こういう悪口に少し傷ついてる気がする。俺に言ってるのに、なんか勘違いするのかも。


「ご注文ですか?」


「はぁ?なんだよ、俺がなにした?なんだその態度は」


「おい、雪見」


ほら、すぐ隼人がなだめる。


「すみませんでした」


とりあえず謝っておこう。そうするといい気分なんだ、こいつら。隼人も一緒に謝る。

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