第14話

「食後にははじめよう」


「…もう着替えてるし」


翌朝、住職は袈裟姿で朝食を食べていたのであった。俺はいつもの作務衣だ。


「パパ、俺も見てもいいの?」


「もちろん。悠人も見てほしい」


「俺も同席します」


「雪見さんも見学ですね。よろしくお願いします」


無邪気な孫だ。


悠星さんの嫁は、具合が悪そうに見える。みるくも具合悪いけど、あの肌の白さは尋常じゃなく白いから、いつもあんな感じなのかもしれない。


食後に、仏間でそれぞれ座布団に座って待つ。最初瞑想やったとき、足痺れたの思い出した。だから、お孫さんらは足は大丈夫か不安になる。


住職は悠星さんの嫁の前に座りなにか唱える。眠らせるようだ。


俺は孫と悠星さんより後ろに座り、後方から支援。目をつぶって、悠星さんの嫁、マーシーさんとどうにか繋がろうとする。英語はできないけど、なんとかコミュニケーションとりたい。いや、とるんだ。俺が、やるんだ。



「え、なに?誰なの?」


「わ、日本語しゃべれたんですねーよかった」


「しゃべれないわ」


「あ、そうなんですね。はじめまして、天野雪見です」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る