概要
扇野学園オカルト研究会の部室で物置と化していたサメはその日、突然自我を持った。
「どこだここ?!」
一声叫んだサメの出自の謎に迫るべく、調査を開始するオカルト研究会。その誕生には、半年前の冬に起こったある殺人事件が深く関係していた。これは摩訶不思議なサメと、幽霊が見えるオカ研部員(一部除く)で送る、嘘と罪と運命の女の子についての物語。
登場人物
サメ
突然自我を持ってしまったサメの人形。部長代理からの愛情が怖い。
柏木慎
オカルト研究会の部長代理。サメを溺愛している。
汐野航平
オカルト研究会副部長。半年前から遅刻常習犯だが寝れない時間に勉強しているので点数は右肩あがり。
篝火つづ希
オカルト研究会平部員。食堂の醤油を一部
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!これは小説の全て
文体、表現、物語、小説の面白いところが全て盛り込まれた凄い作品です!
目を覚ましたらサメになっていた!しかもぬいぐるみの!というところから興味を持って読んでみるともう止まりません。
サメの正体は何なんだ?一体どうしてサメのぬいぐるみになってしまったんだ!と思いながら読み進めていくと、次々に登場する印象的な登場人物たちによってどんどん引き込まれて行きます。特に、登場人物の描写は心理面が重視されており、そうして描き出されていく「顔」は小説という作品の面白さそのものです。
ボーイミーツガールあらためボーイミーツサメの体裁を取りながら進められていく物語は、思いもよらない方向へと向かっていくこと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!サメ視点から始まる異能現代ファンタジー!?
🦈……サメ👀
まず、サメ視点のインパクトがスゴイ。
(ずっとサメ視点ではなくて、全体的には三人称視点でカネラは動き続けます)
ていうか、あれね。サメって言ってもガチなやつじゃなくて、ぬいぐるみの方のカワイイあれね。
(昔、ロンドンのイケアで見つけたサメのぬいぐるみが可愛かったなぁ、と、突然レビューで自分の思い出語り。閑話休題)
独特の世界。
サメの存在に謎をはらませながら、独特の世界観で予想していなかった展開へ進んで行きます。でも、やっぱり最後にはサメの謎は解けて戻ってくる。
物語の骨格自体は怪異を交えた異能現代ファンタジーでしょうか。
とはいえ、なにかにカテゴライズすることは躊躇い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!鋭く激しい感情の果てに、救い、救われて──
ぬいぐるみとして目を覚ましたサメと、オカルト研究会のちょっと変わった人たちの話。
感情の描写の鋭さがとにかくすごい。
ここで私がどう説明しても、到底表現しきれないくらいにすごいので、ぜひ読んで確かめてほしい!
7話、12話、24話あたりをさらっと読んでいただければそのすごさがおわかりいただけると思います。
でもやっぱり最初から順番に読んでほしい!読んで!!!
あと緩急も素晴らしかった。
個人的な感想になりますが、サメ視点とそれ以外の文体の濃さ(?)みたいなものに差があるところが面白かったです。
目覚めたばかりで何もわからないサメと、色々なものを抱えている柏木たちの違いが浮き彫りになっ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この描写、映像越え
ひとこと紹介に書いた通り、この作品、解像度が恐ろしいほどに高いです。
思わず溜め息が漏れてしまうほど綺麗で鋭い数々の描写、痛々しいほどに伝わってくる感情、そしてめっちゃかわいいサメ(ここ重要)……
「手を伸ばせば、触れられそうだ」と感じるほど──いや、「手を伸ばして、触れたい」と思ってしまうほど、読者を引き込む描写は、まさに圧巻です。
さらに、ここに加わるのが、繊細に織り上げられた濃厚な物語と、生き生きとした登場人物たち……(余りに魅力的過ぎて、推しができちゃいました)
これら全てが合わさって一度に押し寄せるのですから、読んだ時の感動はひとしおです。
もし、このレビューが誇張だと思…続きを読む