そして、サメは目を覚ました

作者 甲池 幸

鋭く激しい感情の果てに、救い、救われて──

  • ★★★ Excellent!!!

ぬいぐるみとして目を覚ましたサメと、オカルト研究会のちょっと変わった人たちの話。

感情の描写の鋭さがとにかくすごい。
ここで私がどう説明しても、到底表現しきれないくらいにすごいので、ぜひ読んで確かめてほしい!

7話、12話、24話あたりをさらっと読んでいただければそのすごさがおわかりいただけると思います。
でもやっぱり最初から順番に読んでほしい!読んで!!!

あと緩急も素晴らしかった。
個人的な感想になりますが、サメ視点とそれ以外の文体の濃さ(?)みたいなものに差があるところが面白かったです。

目覚めたばかりで何もわからないサメと、色々なものを抱えている柏木たちの違いが浮き彫りになっています。

文体にばかり言及してきましたが、もちろんストーリーも面白かったです。

序盤は良い意味で説明が不足していて先が気になり、読んでいくうちに補われていく登場人物たちの思考や過去、執着やトラウマに感情がかき乱され、世界に深くのめり込めました。

柏木も航平も七夕も、どうしようもなく愛しく思えてきます……。

あとなんと言ってもサメが可愛いです。動作がいちいちあざとすぎる……。ペソペソと泣くサメにキュンとします。
私も自由のサメ号乗りたい!

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