第46話 訓練所の設定

予想以上に住人が増えてしまった。

従業員用の部屋が不足してしまった。

母屋の隣に従業員用の宿舎を作ることにした。

1階は食堂兼ミーティングルームと大浴場、トイレ、部屋が5つ。

2階は部屋を10室とトレーニングルーム、トイレ。

3階は部屋15室とトイレを設置した。

それぞれの階は母屋と渡り廊下でつながっている。

部屋は8畳のワンルームにしてある。

1階にはキッチンに近いので料理人たちに。

2階は客間が近いのでメイドさんたちに。

3階はその他の従業員とした。

各階にはエレベーター代わりに転移魔法陣を設置してある。

これで20部屋を確保した。

庭を整備する前にわかってよかった。

あとは庭師と門番兼警備員が必要かな?


家が出来上がって三日目。

いつものように全員でメリーナ様の祭壇へ祈りを捧げる。

お供えも忘れずに。

するとメリーナ様の像が輝き出した。


「すまんのお。やっと神力が回復してきたぞ。そなたたちのおかげじゃ。わらわの神力があがれば魔王の力が弱まるのじゃ。今後もよろしく頼むのじゃ。それにお供えも忘れずにな。」


メリーナが顕現したことで従業員たちは驚き固まった。


「了解しました。これからも見守ってくださいね。」


「わかったのじゃ。そうじゃ、世界樹の力を借りると良いぞ。この家を守るくらいの結界は張ってくれるじゃろ。そろそろやつも力をつけ顕現するはずじゃ。扱い方はそこにいるエルフに聞くが良い。」


「サーシャ、あとでよろしくね。」


「はい!」


「それとお礼と言ってはなんだが、これを授けよう。ダンジョン水晶じゃ。ダンジョンコアの劣化版と思ってくれて良い。魔物の召喚はできるが迷宮までは作れぬ。地下1、2階のホールぐらいは作れるから安全に魔物の討伐訓練はできるじゃろ。ちゃんと素材をドロップするし、経験値も得られるぞ。有意義に利用してくれ。」


「ありがとうございます。早速、訓練所に設置してみます。」


「ここにおるのはお主の仲間じゃな。では、祝福を授けよう。それじゃ、またな。くれぐれもお供え忘れるでないぞ! 甘いものを頼んだぞ!」


メリーナ様は光の粒となって砕け消えていった。

従業員さんたちはメリーナ様の加護を授かった。

獣人、エルフはさらにステータスが付与されていた。


「本当にメリーナ様の使徒様だったのですね。」


「嘘なんて言ってないぞ。それより、サーシャだ。世界樹のことを教えてくれ。」


「世界樹はある程度の力をつけると分身を生み出すと言われております。分身は妖精のような感じの見た目らしいです。私はお会いしたことはないのですが、エルフの間ではそう伝えられています。先ほどのメリーナ様のお話だとおそらく真治様の影響を受け、もう時期分身が産まれるのではないでしょうか?」


「なるほどな。その分身体に結界を張ってもらえば良いということだな。」


庭の世界樹を確認してみたがまだのようだ。

それから訓練所に移動し、ダンジョン水晶を出す。

水晶に触れるとマスター登録画面が現れた。

登録を完了すると水晶が地面に吸い込まれていった。

しばらくするとダンジョン水晶が地面から浮かびあがってきた。

設定が完了したようだ。

そして詳細設定画面が現れた。


設定を開始しますか? y/n?


YES!


魔物の自動リポップの有無 y/n? ⇒ ”n”

魔物の任意召喚の有無 y/n? ⇒ ”y”

魔物討伐後、経験値獲得の有無 y/n? ⇒ ”y”

魔物討伐後、ドロップの有無 y/n? ⇒ ”y”

死亡後、復活の有無 y/n? ⇒ ”y”

復活時、全回復の有無 y/n? ⇒ ”y”

死亡時、ペナルティの有無 y/n? ⇒ ”n”


設定を完了しますか? y/n? ⇒ ”y”


設定が完了したので魔物召喚時に使う端末を作った。

召喚できる魔物には、スライム、キラーラビット、ゴブリン、オーク、ウルフ、リザードマン、ミノタウロスを設定しておいた。

召喚する数も任意に設定可能にした。

これでメイドさんたちでも安全にレベルを上げられる。

自分の身は自分で守れるくらいにはなってもらいたい。

地下1、2階も設定できるようだが今のところ必要ないので放置する。

訓練所はダンジョン化したため強度が増した。

極大魔法をぶっ放しても壊れそうにない。

試しに静香がインフェルノやアブソリュート・ゼロを放ったがビクともしなかった。

しかし、室温の急変には注意が必要だ。

あとは庭の手入れなのだが当分は鈴音とリッカの遊び場ってことでいいかな。

そろそろ魔の森を攻めようと思う。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る