第19話 カミングアウト
「ところで、クリスはどこに行ったのかしら? あなたから悪意は感じないので娘がわがまま言ったのは分かるわ。」
アウトでした。
しっかり、ユニークスキルの悪意感知と嘘鑑定が発動している。
「私の仮の家と言いますか、部屋と言いますか。異空間に作った部屋に向かいました。」
「嘘じゃないようね。あなたにはそんなスキルがあったのね。」
「旅の間ずっと過ごした部屋なので名残惜しいのだと思います。」
「なるほどね。あなたにはもっと秘密がありそうね。初対面であまり検索するのも失礼なのでこの辺りにしておきましょう。」
「ただいま~。あら? お母さま、御用でしょうか?」
「旅のお話を聞こうと思っていたのよ。ところで、あなた良い匂いがするわね。お風呂に入っていたの?」
「ええそうよ。真治様のお部屋にはお風呂があるのよ。あっ! 言っちゃダメだった!! ごめんなさい、真治さん。」
「もういいよ。今、ルームのことバレたとこだったから。」
「ふふふ。また聞きたいことが増えたわ。」
「真治様のお風呂は温泉なのよ。とっても気持ちいいのよ。温泉と真治様のお料理が今日までだと思うと名残惜しいわ。」
「また遊びに来たらいいじゃない。私たち友達でしょ?」
「また一緒にお風呂に入ればいいのですよ。」
「ありがとう。また一緒に入りましょうね。ねっ、真治さんも。」
「俺は一緒には入らないから!」
「あら? 嘘鑑定が反応したのだけど、どういうことかしら?」
「王妃様、お食事の準備ができました。」
ナイスだメイドさん。
王妃様の追求が怖いので帰りたいです。
「真治殿、もう一度言わせてくれ。娘を助けてくれて本当にありがとう。」と王様
「いえ。私は当然のことをしたまでですので。」
食事は豪華なのだろうが、やはり物足りない感じだった。
調味料の問題があるから仕方ないだろう。
客間に泊って行くように言われ、お言葉に甘えることにした。
でも3人一緒の部屋をお願いした。
ルームを起動するので3人一緒じゃないと都合が悪い。
客間に案内されるとなぜかクリスと王妃様も着いてきた。
おやすみなさいと言ってドアを閉めようとすると無理やり部屋に入ってきた。
「え? 何か御用でしょうか?」
「何って、ルームを起動するのでしょ? もう一回お風呂に入りたいのよ。」
「もしかして王妃様もですか?」
「もちろんよ。温泉に入ってみたいのよ。」
「わかりました。ルーム起動。」
「王妃様、中で見たものは絶対に他言無用でお願いしますね。」
「わかりました。お約束します。」
はぁと溜息を吐いて、部屋に案内した。
王妃様はとても部屋や風呂が気に入ったようだ。
嫌な予感しかしない。
「ところでクリス。見慣れない指輪をしてるわね。とってもキラキラした石が着いているじゃない。それはどうしたの?」
「真治様に頂きました。私の命を守ってくれる大切なものです。」
「婚約指輪なの?」
「え? そうなんですか、真治様!」
「いえ、違いますが。命を狙われておりましたのでさまざまなスキルを付与してある指輪を差し上げました。」
「どんなスキルが着いてるの?」
「えっとね。鑑定、念話、状態異常無効、危険予知、シールドカウンターだったと思うわ。」
「何なのその指輪。そこいらのアーティファクト以上の性能じゃない。やっぱりそれって、婚約指輪じゃないの?」
「違いますって。ていうか、王妃様は分かっていますよね? 嘘鑑定発動してますか?」
「ふふふ。」
「まあいいですよ。風呂上がりのアイスをどうぞ。」
「冷たい! おいしい! あま~い!」
アイスが食べ終わったら自分の部屋に帰るようにお願いした。
クリスはこっちのベットがいいと駄々をこねたがなんとか帰した。
疲れたわ。
王様には俺が勇者だって話しておいた方がいいかもしれないな。
王妃様にバレるのも時間の問題な気がするし。
クリスから王様には鑑定スキルがあると聞いた。
俺を鑑定してもらえば全てわかるだろう。
翌日の朝、朝飯の時にカミングアウトすることにした。
「王様、私を鑑定してみてください。王様には全てをお話します。そして、ご協力をお願いします。」
「わかった。では鑑定するぞ。」
王様は俺を見つめ鑑定を起動した。
「え? 勇者様?」
「はい、私は女神メリーナ様から魔王討伐を依頼された勇者です。そして、異世界からの転移者です。魔王の情報がございましたら教えていただきたい。そして、ご協力をお願いしたい。」
「なるほど、伝説の勇者の物語程度の情報しか今は無い。前回、召喚された伝説の勇者様は魔王討伐に向かい、健闘したが討伐には至らず封印した。その封印が解けてしまったという噂がある。真治様が召喚されたということは真実なのだろうな。改めて詳細情報を入手しよう。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「それに勇者とバレると貴族たちがうるさくなるだろうな。今回のクリスの件の褒美に爵位も加えるか。あと、クリスを嫁にもらうというのはどうだ? そうなれば貴族も口出しできなくなるだろう。」
「ふふふ、すでに婚約指輪を頂いてるみたいよ?」
「これですのよ。」とクリスが自慢げに王様に見せつけた。
「白金の指輪にダイヤモンド? それよりもなんじゃこのスキルは! 国宝級のアーティファクトではないか!」
「婚約指輪ではないですよ? クリスの命が狙われていたので差し上げただけですよ?」
「真治様、一つお聞きしても良いかしら?」
「なんでしょうか? 王妃様。」
「もう親子になるかもしれないのだからエリザベスで良いわよ? それで、その指輪はどちらで入手されたのかしら?」
「エリザベス様もほしいのですか? 私が作りましたが。」
「え!? 同じものが作れるの! ほしいに決まっているではないですか。ぜひお願いします。」
「はい。王様もほしいんですね。そんな目で見ないでくださいよ。」
王様にはブルーサファイア、王妃様にはルビーで指輪を作ってあげた。
スキル付与はクリスのと一緒にした。
そういや、王様をまだ鑑定していなかった。
*ステータス
名前: カイザー・ハワード(ハワード王国国王)
性別: 男
年齢: 45歳
レベル: 30
HP: 300
MP: 120
STR: 360
DEF: 280
AGI: 310
DEX: 300
幸運: 200
スキル
礼儀作法、鑑定、魔力操作、魔力感知、剣術、格闘術、槍術、統率
魔法
火魔法: ファイアボール、ファイアストーム、ファイアウォール
ユニークスキル・加護
王の威厳、覇者の威圧
指輪の交換条件としてスキルをコピーさせてもらった。
そして、いつの間のにかにクリスとの婚約が決まった。
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