第16話 クリス様をルームにご招待
御者さんがかわいそうなのでたまに休憩を挟み順調に旅を続けた。
今のところ、盗賊にも魔物にも遭遇していない。
クリス様と雑談をしながら時間をつぶしていた。
そろそろカミングアウトしてもいいかな?
「クリス様、実は俺たちは女神メリーナ様から魔王討伐を依頼された勇者パーティなのです。」
「え? 伝説の勇者様なのですか?」
「伝説? まあそうです。たぶん、その勇者です。」
「なので、私たちの秘密は絶対に他言無用でお願いしますね。」
「承知いたしました。なんかいろいろなことが納得できました。」
「クリス様のステータスを確認させていただきますね。」
*ステータス
名前: クリスタル・ハワード (ハワード王国第4王女)
性別: 女子
年齢: 13歳
レベル: 10
HP: 120
MP: 100
STR: 80
DEF: 80
AGI: 80
DEX: 100
幸運: 300
スキル
礼儀作法、魔力操作、魔力感知、アイテムBOX
魔法
生活魔法: クリーン、ウォーター、ライト
風魔法: ウィンドカッター
光魔法: ヒール、キュア
ユニークスキル、加護
未来予知
装備
武器: ロッド
頭: ティアラ
手: 手袋
体: ドレス
足: パンプス
「未来予知? どのぐらいの未来が見れるのですか?」
「数週間が限度です。こちらにオークの村が出来たことは予知できました。それで急いでこちらに来たのです。しかし、盗賊は予知できませんでした。真治様と出会う大切なイベントだったため回避不可能な事件だったのでしょう。」
「なるほど、未来予知をコピーしてもいいですか?」
「え? そんなことができるのですか? 無くならないなら構いませんが。」
『できないの? できるよね? よろしくね、ティア』
『ユニークスキルなので本来はできないのでしょうが、スキルコピーを使ってみたらできました。メリーナ様が何かしたんだと思いますが』
「いつも宿泊はどうされているのですか? 野営ですか?」
「だいたいは町に入り宿を取ります。丁度良い町がなかったときは野営しますね。」
「先に言ってしまいますが、私たちには異空間のお家があります。だから宿は不要です。お金がもったいないですしね。」
「何から突っ込めばいいのか分からなくなってきました。私がそのお家に入ることは可能ですか?」
「たぶん、大丈夫だとは思いますが、中で見たものはすべて極秘ということが条件です。守れますか?」
「もちろんです!」
「では、ルーム!」
馬車内のリビングの壁にルームを起動した。
先にメイと静香が入り、続いてクリス様が入った。
最後に俺が入った。
「えええ、馬車でも驚きましたがこっちの方がすごいじゃないですか!」
「ちなみにこっちにはお風呂もありますよ。しかも温泉です。」
「ベットもフワフワよ。」
「ごはんがおいしいのです!」
「あの、今晩こちらに泊ってもよろしいでしょうか?」
「俺は構わないが、御者さんたちは大丈夫? 誤魔化せる?」
「宿を取って偽装します。宿代を無駄にしてでもこの部屋に泊まる価値があります。」
「そうですか。クリス様が良いなら構いませんが。」
「早速、御者に近くの町で宿を取るように指示しますね。」
馬車に戻りクリス様は御者に指示していた。
1時間ほど走ると町に到着した。
小さな宿場町と言った感じの町だった。
そして、クリス様は4人部屋の安い部屋を借りた。
俺も一緒なので御者が、え?って顔をしたが王女様に意見はできない。
もちろん御者は別部屋だ。
部屋に入り、早速ルーム起動。
すぐに3人でお風呂に行った。
さすがに俺はお留守番だ。
いつもは2人が無理やり入ってくるのであって、俺が望んでいるわけではない。
誤解のないように。
30分後ぐらいに風呂から戻ってきた。
「久しぶりのお風呂で最高でした。それに温泉って気持ち良いですね。身体の芯から癒された気分です。シャンプー?ってのも髪サラサラですし、身体洗う洗剤もいい匂いでお肌スベスベですよ。もうずっとここで暮らしたい気分です。」
「満足して頂けたみたいですね。静香、クリス様にトイレに使い方を教えておいてくれ。俺も風呂に入ってくるよ。あと、晩飯のメニューも相談しておいてね。」
風呂から上がると、静香からオムライスが食べたいとリクエストされた。
「よし、じゃあオムライスとクリームシチューにしよう。」
材料とレシピの入手はティアに任せた。
レシピ通りに作ればプロ並みの出来だ。
「こんなおいしいもの食べたの初めてです。お城の料理人以上のおいしさですよ。真治さんは何をやってもすごいですね!」
なぜかメイがドヤ顔をしているのだが。
「気に入ってもらえて良かったです。俺はデザートを作ってくるので待っててください。」
プリンを作ってあげた。
そして、クリス様用のベットを作成し、俺たちとお揃いのパジャマを渡した。
お城のベットよりもフカフカで寝心地がよかったそうだ。
予想通り、王都に着くまで毎日この部屋に泊まると言い出した。
秘密にしてもらえるのであれば構いませんよ。
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