第12話 アサシン メイ
朝起きて外へ出てみると雨だった。
異世界でも雨が降るんだな。
そりゃ川があるんだから雨だって降るよね。
仕方なくルームに戻る。
今日は冒険者活動はお休みにしよう。
「今日は雨降ってるから部屋でゆっくりしないかい?」
「そうですね。こっちに来てからずっと走っていた気がします。今日くらいはゆっくりしましょう。」
「メイも賛成です。」
「んじゃ、お菓子でも作ろうかね。」
「え?! お菓子ですか!! メイは噂でしか聞いたことないのです。甘くておいしいって聞いたことあるです。作ってくれるのですか?」
「OK! んじゃ、ショートケーキにしようかね。まあ、俺も作ったことないのだがレシピを入手すればスキルもあるしなんとかなるでしょ。」
『ということで、ティアさん。レシピの入手よろしくです。イチゴのショートケーキね。』
『了解です。材料はショップで入手しておきますね。』
『メリーナ様によろしく言っといて。ちゃんとお供えもするからさ。』
『あまりにも注文が多いのでメリーナ様が買い出しに行くのは止めたそうですよ。
その代わりAma〇onに似た通販サイトを経由して購入できるようにしたそうです。』
『本当に大変だったんだね。』
「まずはスポンジを焼こうかね。静香はダマにならないように生地を混ぜてね。メイは生クリームを泡立ててちょうだい。」
「俺はイチゴの下処理をと。メイ、イチゴ見たことあるかい?」
「おそらく無いです。貴族が食べるような高級品なら縁が無かっただけかもしれませんが、たぶんこの世界にはそんなに赤い果実はないですね。」
「それじゃ、食べてみて。」
1つ摘まんでメイの口に放り込んだ。
「この甘さと酸っぱさの絶妙なハーモニーはなんですか! こんなおいしい果実食べたことないですよ!」
「これからこのイチゴを使ったお菓子を作ります。楽しみにしててね。」
「はい! 待ち遠しいです。早く作りましょう。」
まずはオーブンで生地を焼く。
焼いてる間にいろいろ聞いてみることにした。
こちらの世界にも砂糖はあるそうだ。
しかし、超高級品で貴族じゃないとまず手に入れることができないそうだ。
サトウキビからではなく、サトウダイコンのようなカブに似た野菜の汁から砂糖を作るそうだ。
精製が大変なため、高価になってしまう。
庶民が味わえる甘いものは花の蜜か、熟れた果実程度らしい。
チョコなんか食べたらどんな表情するんだろうか。
「メイ、目を瞑って口開けてみて。」
「はいなのです。あーん。」
チョコをひと欠片、口に放り込むと
「!!!!! あんまーーーーーい!」
良い表情してるわ。
メイで遊んでいるとスポンジが焼きあがったようだ。
上出来だ。ふっくらと膨らんでいる。
横にスライスし、間に生クリームとイチゴを挟んだ。
3段重ねにし、周囲にも生クリームを塗った。
上面に生クリームでデコレーションをし、丸ごとのイチゴを乗っけて出来上がり。
八等分に切り分け、メイと静香に渡す。
紅茶を入れて、早速試食をしてみよう。
静香と2人でメイに注目している。
幸せそうな顔をしている。
無言で黙々と味わっているようだ。
成功したようだな。
うん。うまい。懐かしい味だ。
「メイ、もっと食べるかい?」
「いいんですか? こんなに甘いお菓子を私なんかが食べちゃっても。」
「いっぱいお食べ。俺たちの居た世界にはもっともっとおいしいものがたくさんあるんだ。また作ってあげるね。」
「はい! ありがとうございます。私、このパーティに加えてもらえて幸せです!」
「ちょっとステータス見せてね。」
*ステータス
名前: メイ(猫獣人) アサシン
性別: 女子
年齢: 14歳
レベル: 30
HP: 600
MP: 80
STR: 550
DEF: 490
AGI: 680
DEX: 500
幸運: 200
スキル
家事、料理、鑑定、収納、剣術、双剣術、身体強化、回避、加速、精神耐性、
気配探知、マップ、魔力操作、魔力感知、無詠唱、威圧、裁縫、解体、
ホーミング、気配遮断、隠密、格闘術
魔法
生活魔法: クリーン、ファイア、ウォーター、ドライ、ライト
光魔法: ヒール、キュア、パワーブースト、マジックブースト、
プロテクト、シェル
ユニークスキル、加護
創造神の加護、叡智神の加護、猫パンチ(目にも止まらぬパンチを繰り出す)、
女豹(異性を魅了する)、獣化(獣に変身する)
装備
武器: ミスリルの双剣
頭: 革の兜
手: 革の小手
体: ミスリルの胸当て
足: 革の靴
職業が着いたようだ。
アサシンか。今の戦闘スタイルの影響だろう。
怪しいユニークスキルが増えている。
身の危険を感じるので気を付けよう。
やはりMPは伸びないようだ。
メイはMPが少ないため大きな魔法は使えず、遠距離攻撃ができない。
そこで弓を覚えてもらうことにした。
普通の弓では面白くないのでボーガンを使ってもらうことにした。
『ティア、ボーガンの設計図を検索で入手してくれ。』
『了解、マスター。入手次第、作製を開始します。』
『それと屋内練習場って異空間に作れないかな? 今日、雨だからさ。試し打ちできないじゃん?』
『できますよ? MP半分くらい使いますね。』
『今日は狩りに行かないから大丈夫だ。よろしくね。』
奥行50mほどの屋内射的練習場が出来上がった。
数分後、ボーガンも完成した。
ここでメイには十分練習してもらうことにした。
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