第11話 ミノタウロス討伐
朝早く起きてしまった。
熟睡できたので眠くはない。
2人はまだ寝ているようだ。
俺は起こさないようにそっと寝室を出て朝ご飯の準備をした。
ハムエッグとトーストを焼き、生野菜のサラダとコーンスープを作った。
俺は食後のコーヒーが好きだった。
これからはコーヒーだって飲めるのだ。
なんて幸せなんだ。
2人が起きてきたので朝飯を食うことにした。
「今日はギルマスから言われたミノタウロスを狩りに行くことにしよう。」
「情報が無いのでギルドに寄ってからですね。」
「そうだね。報奨金も上乗せしてもらおうと思う。」
「現場が遠いと移動だけで時間をとられちゃうから早めに行こうかね。」
支度をして早速ギルドへ向かった。
「真治様、ギルマスから指名依頼が出ています。ミノタウロスの討伐ですね。納品数の上限なしで1頭当たり5銀貨での買取になります。よろしいでしょうか?」
思っていた以上においしい依頼だ。
問題無く受理することにした。
生息場所はここから馬車で半日くらいかかるらしい。
結構遠いな。
今日は移動だけで終わりそうだ。
期限も設定されていないようだし、ゆっくり向かうことにした。
門を出て少し離れたところで収納から自転車を出した。
しばらく道なりに自転車を走らせた。
お昼ぐらいになったので道端の岩に手を置きルームを起動した。
移動式の家、本当に便利だ。
昼飯は作るのが面倒なのでハンバーガーとポテトを発注した。
紅茶を飲みながら待っているとティアから収納に荷物が届いたと連絡がきた。
確認すると4人分入ってた。
1人分は祭壇にですね。
この微妙な時間差が頑張って買い出しに行ってるんだなと思わせる。
「これおいしいです。パンもフカフカだし、お肉もジューシーです。」
「それは良かった。でも、自転車は結構疲れるね。もうちょっとお金が溜まったらスクーターが欲しいね。」
「ごめんなさい。メイが重いからですね。」
「違うよ。メイちゃんはいろんな意味でありがとうだよ。」
「よくわかりませんが、なんか喜んでいただけてるようなのでよかったです。」
しがみ付いているので背中が幸せなのは内緒にしている。
「よし、今日中に目的地までがんばるぞ!」
夕暮れ前に目的地に到着した。
ここから森の奥まで進まなければならないのだが。
今日はここまでだな。
暗くなった森は危険すぎる。
道端の大木にルームを起動した。
今日は疲れたのでオークカレーにしよう。
そして温泉で疲れを癒す。
で、君たちは当然のように入ってくるのね。
そして、ゆっくりベットで就寝だ。
本来なら交代で見張りをして襲われる危険を感じながら寝るのだ。
これが野宿って信じられないよね。
次の日、森の奥に向けて進む。
街道から離れるとすぐに魔物の気配がしてきた。
近づく魔物を片っ端から狩っていく。
と言っても出てくるのはウルフやゴブリン程度だ。
Eランクの討伐対象なので依頼も受けられない。
なので狩ったらショップで即売却だ。
さらに進むとオークやイノシシが現れるようになった。
オークは食料として保管だな。
イノシシは食えないことはないが、豚肉はオークで十分間に合っているので売却だ。
その後、サルやヘビも混ざるようになった。
両方とも食材にしたくないので売却だ。
ギルマスが依頼を出すくらいだからこの辺りには冒険者がほぼ来ないのだろう。
魔物の数が多い。
こちらとしては稼げるのでありがたいのだが。
メイちゃんも戦いに慣れてきて瞬殺するようになってきた。
そして、やっとミノタウロスのいる領域に入った。
ミノタウロスは単独で行動するらしい。
一頭ずつが点在している。
「よし、2人ともいくよ!」
静香からの落雷が合図に、俺とメイが走り出す。
落雷で動けなくなったミノタウロスの足をメイが、俺が首を狙い斬るつける。
切り落とすことはできなかったが深い傷をあたえた。
ミノタウロスの身体は筋肉質のため切り難い。
膝をついて倒れたミノタウロスの脳天に剣を突き刺し、サンダー叩き込んだ。
やっと倒すことができた。
耐久力が非常に高く、物理攻撃にも強い感じだ。
あまり傷つけると商品価値が落ちてしまうので、首から上狙いで仕留めることにする。
静香がファイアボールやサンダーボールで視覚を奪い、メイがアキレス腱を斬り動力を奪う、そして俺が頭や目に剣を刺しサンダーを叩き込み脳を破壊するという流れの作戦で行くことにした。
テレポートで移動し狩る、また移動して狩るを繰り返し周囲のミノタウロスを狩りつくした。
開けた場所に移動し、アースウォールで壁の囲いを作って、その中にルームを起動した。
一番最初に倒した傷だらけで商品価値の下がったミノタウロスを自分らで食べることにした。
2足歩行だけど牛の顔だし、牛肉だよね。まずはステーキかな。
肉は脂身が少なく、赤身という感じだった。
塩コショウして焼くと香ばしい香り、まさに牛肉だ。
アメリカ牛という感じの肉々しいお肉だった。
食べてみるとうまいのだが、固い。
かと言って、魔物の肉をレアで食うのは危険すぎる。
これはハンバーグがよさそうだ。
肉を叩いて粗挽きにしハンバーグにしてみた。
オークを混ぜた合い挽きも作り食べ比べをしてみる。
とにかくどっちもジューシーでうまかった。
ハンバーグは正解でした。
次の日、再度マップを起動するとミノタウロスが復活していた。
リポップというやつだね。
今日も1日ミノタウロスを狩りつくした。
さらに森の奥にも進み狩りつくした。
昨日が80頭、今日は120頭で200頭狩ることができた。
日が傾いてきたので町に帰ることにした。
帰りはもちろん転移で帰りますよ。
路地裏のいつもの場所に転移した。
そのままギルドへ向かい討伐完了報告です。
「「「ただいま戻りました~」」」
「お帰りなさい。真治様、静香様、メイ様。」
「ミノタウロス狩ってきたので解体場に出してきますね。」
「よろしくお願いします。私はギルマスに報告してきます。」
解体場へ移動しおっちゃんに話しかけた。
「いっぱいミノタウロスいるんだけど全部出して大丈夫?」
「お前のいっぱいは普通のいっぱいと桁が違うから怖いんだよ。ちなみにどれだけいるんだ?」
「えっと、200頭いるけど? ここに入りきれるかな?」
「ちょっと待て、そんなに出されたら処理が追い着かん。まず、10頭出してくれ。」
「はいよ、んじゃ10頭ね。」
「ほほー。脳みそ潰して倒したんだな。これはいいぞ。肉はもちろん、革も使える。なかなかいいぞ。みんな同じ感じだろ? 査定は5銀貨で問題なしだ。
ちょっと待ってろ。アイテムバック借りてくるから。」
おっちゃんが戻ってくると、受付嬢とギルマスも着いてきた。
「おいおい、上限なしと言っても限度があるだろう。そもそもミノタウロスを見つけるのだって大変なんだぞ。それを3日で200頭って信じられんわ。」
笑ってごまかし、次々と収納からミノタウロスを出していく。
それをおっちゃんがギルドのアイテムバックに詰めていくという流れ作業となった。
ギルマスと受付嬢は呆れ顔だ。
1金貨の報酬をもらって、いつもの路地裏に戻りルームを起動した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます