第5話 町へ到着→冒険者登録

翌日の朝、町に向けて出発することにした。


「ところで町はどの方向に向かえば行けるんだ?」


「私は村から出たことがないので行ったことはないのですが、北東方向に進むと街道に出て、そのまま街道を東に向かうと町があるそうです。」とメイ。


「それじゃあ、街道をまずは目指そう。」


『ティア、敵感知とナビよろしくね。』


『了解です、マスター。それよりメイちゃんの装備と武器忘れてますよ。獣人は素早さ(AGI)が伸びます。前衛で敵を撹乱し攻撃を加える双剣使いなんかがお勧めです。』


『んじゃ、革の装備と双剣を作ってみるね。』


「ちょっと待って。メイちゃんにこれを。装備してみてね。」


静香ちゃんに手伝ってもらいながらメイちゃんが装着する。

その隙にメイちゃんにもスキルを付与する。

MPの伸びは悪いそうなので、魔法は生活魔法と光、闇魔法だけにした。

改めて出発だ。

街道に出るまでに何度かゴブリンが現れた。

メイちゃんに狩りの練習をしてもらうためにちょっと弱らせてから任せた。

レベルも上がっていき、徐々に動きが良くなってきた。

魔物のいる世界に産まれたので殺すことへの躊躇いは無いようだ。

やっとのことで街道に出た。

もうお昼をまわっている。

お昼ご飯はメイちゃんが今朝作ったお弁当だ。

メイちゃんには悪いが腹も減っていたのでめっちゃ急いで食べた。

暗くなる前に町に着くか、野宿できそうな場所をみつけなければならない。

先を急ぐぞ。

街道には魔物の気配を感じない。

定期的に狩っているのかもしれない。

そして歩くことに疲れてきた俺は、今自転車を作っても良いだろうかと悩んでいる。


『ティア、どう思う?』


『え? 何がですか? いつも私がマスターの心を読んでると思わないでください。プライベートは必要かと遠慮しているのですよ?』


『それはありがとう。助かるよ。おちおちエッチな妄想もできないからね。それはそうと、さっきの質問だが自転車作ってもいいかなと。おそらくこの世界には無い技術でできてるよね?』


『ダメなときは出来上がらないので作ってみたらいいと思いますよ。メリーナ様が可否を判断してますから。』


それじゃ、創造で自転車を2台作製と。

出来ちゃったよ。マウンテンバイクだよ。

1台を静香ちゃんに渡し、メイちゃんは俺の後ろに乗ってもらうことにした。

メイちゃんに自転車の練習させてたら日が暮れちゃうしね。

一気に加速し、暗くなる前に町が見えてきた。

自転車は収納し、徒歩で町に入った。

門番さんに止められ、身分証の提示を求められた。


『どうすればいいの?! 身分証なんか持ってないし。』


『ギルドカードが身分証になるので今回は仮証明書を発行してもらってください。』


「門番さん、仮証明書を発行してもらえますか? 後程、ギルドカードを発行してもらいますので。私たち田舎から出てきたものでギルドすらなかったのです。」


「じゃあ、この水晶に手を置いてくれ。犯罪歴があるものは水晶が黒くなる。あと一人銀貨1枚ね。」


お金は私がとメイちゃんが立て替えてくれた。

俺たち一文無しだった。

魔石を売ってお金にしないと今晩の宿やご飯がやばいじゃん。

問題無く仮証明書を発行してもらい、町に入った。

まずは冒険者ギルドだ。

門番さんに場所を聞き、ギルドへ向かった。

想像通りの場所だった。

受付嬢さんに冒険者登録と魔石の買い取りをお願いした。


「まず、ギルドカードをお渡ししますね。血を一滴垂らしてください。それで認証完了となります。冒険者ランクはFからのスタートとなります。冒険者ランクにより受けることができる依頼が異なります。貢献度によってランクが上がりますので頑張ってください。ランクが高い依頼ほど見返りは大きいですから。登録料は銀貨1枚です。」


「了解しました。あと魔石の買い取りお願いします。そこから3人分の登録料を引いてください。」


「では、このトレイの上に出してくださいね。」


「これでは入りきれないのですが。バケツを何個か貸していただけませんか?」


「アイテムボックス持ちだったんですね。 では、裏にある解体場で出してもらえますか?」


解体場に案内され、ゴブリンとホブゴブリンの魔石を全部出した。

解体場にいたおっちゃんがあまりの多さに驚いていた。


「ゴブリンの魔石だな。随分と狩ったもんだな。200くらいはあるんじゃないか?」


正確には350個あったのだが。

ゴブリンの魔石が1個当たり10銅貨、ホブゴブリンの魔石が100銅貨で買い取ってもらえた。

それとEランクの討伐依頼にゴブリン討伐があり、5匹あたり100銅貨の報酬があった。

討伐証明はもちろん左耳だ。

全部出して70回分の報酬が貰えた。

合計、10,600銅貨=10銀貨と600銅貨となった。

だいたい宿1泊が一人1銀貨で、1食分の食事が100銅貨くらいだそうだ。

1銀貨=1000銅貨、1金貨=1000銀貨となっている。

登録料の3銀貨を払い、ギルドを出た。

門番さんにギルドカードを見せに行くと、仮証明書と引き換えに銀貨を返却してもらえた。

銀貨はメイちゃんに返した。

門番さんに宿を紹介してもらい、部屋を確保できた。

1人部屋では一人1銀貨かかるが、3人部屋なら2銀貨で良いと言われ3人部屋になってしまった。

節約しなければならないのはわかるが、今晩寝れるだろうか。

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