第4話 パーティメンバー追加

「おはよう。メイちゃん、村長さん。」


「おはようさん。良く寝れたかい? メイ、朝飯を運んでやってくれ。」

「朝飯を食べたら村の者に紹介するからよろしく頼む。」


「わかった。あと、俺たちはゴブリンの巣をつぶしに行く予定だ。巣をつぶしておかないとまた襲ってくるかもしれないしな。」


「何! 巣ができているのか? わしらじゃどうすることもできない。申し訳ないが頼む。報酬は、うーん。うちの娘でどうじゃ?」


「報酬は気にしないでくれ。巣はちゃんとつぶしておくから今晩もこの家を使わせてくれればいいよ。」


メイちゃんが顔を赤くしてモジモジしていた。

家に戻り、さすがにいつまでもジャージで戦闘は危険なので装備をつくることにした。

なんの革だか分らんが、革の装備を創造で作り、静香ちゃんにも装備してもらった。

新たに得たスキルを静香ちゃんにも付与した。

生活魔法のクリーンを一番喜んでいた。

女の子だもんね。

その後、飯を食ってから村長とともに村の広場へ向かった。

50人ほど集まっており、これで全員だそうだ。

半分ほどが獣人で残りがエルフだった。


「あんたから世界樹様の気配を感じるのだが、どういうことだ?」


エルフが驚いた顔で尋ねてきた。


「ああ、たぶん世界樹の加護をもらっているからじゃないかな?」


「あなた様は使者様でしょうか?」


エルフが全員膝をついて祈り始めた。


「俺にも良くわからないんだ。一応、メリーナ様からは魔王討伐を依頼されてはいるんだがね。」


「なんと! メリーナ様の使者様でもあるのですね!」


獣人たちまで膝をついて祈り出した。

なんか困った展開になってしまったぞ。

ここは、うん、逃げるのが一番だな。


「とにかくだ。ゴブリンの巣をつぶしてくるから、んじゃまた後で。」


静香ちゃんの手を引いて走って逃げた。


『それでさ、ティア。どおやって巣を見つけようか?』


『そうですね。近くにいるゴブリンに軽くキズを負わせ、巣に逃げ帰るのを追跡しましょう。』


丁度、そばにゴブリンがみつかった。

ダッシュで近づき、手首を切り落とした。

そして、剣を振り上げると怯えて逃げ出した。

作戦成功だが、やりすぎたかな?

出血多量で巣に着く前に死んじゃうかも?

マップを見ながらある程度距離を取り追跡を開始した。

15分ほど森の中を歩くと目の前に崖が現れ、そこに洞窟があった。

この洞窟の奥が巣のようだ。


「静香ちゃん、燻り出し作戦でいくよ。出てきたらガンガン狩ってくれ。」


出口の見張りを瞬殺し、洞窟の入り口に枯れ枝を積み上げ火をつけて少し離れた大木の影に潜んで待ち伏せした。

なかなか洞窟に煙が向かっていかないので風魔法で強制的に送った。

咳をしながらゴブリンが出てきた。

数が多い。魔法だけではMPが尽きてしまう。

剣を握って走り首を刎ねていった。


「静香ちゃん、回復と支援頼む。」


「わかりました。任せてください!」


レベルが上がったおかげで身体が軽い。

しかも剣の威力も上がっているので一発で首を斬り倒すことができる。

自動収納を作っておいてよかった。

今頃、死体の山で入り口が埋まっていた。


『マスター。強い気配が近づいてます。おそらくボスです。気を付けて!』


『了解。ところで勝てそうかな?』


『バインド→サンダースピア→喉に突き刺すの流れで大丈夫かと。』


「静香ちゃん、ボスが来るからサンダースピア食らわせてくれ。」


通常ゴブリンの2倍はあるだろうか、でかいゴブリンが出てきた。

鑑定するとホブゴブリン。上位種だ。

予定通りバインド!

畳み込むように静香ちゃんの雷が炸裂し、ホブゴブリンは動けなくなった。

腹、胸、首と剣を突き刺し、やっと力尽きた。


「ふぅ~、終わったな。帰るとするかね。」


村に帰ると村人が全員で迎えてくれた。

今日は宴会らしい。


「巣はつぶし、ボスも倒したからもう大丈夫だ。」


歓声が上がり、拍手するものや祈りを捧げるものもいた。

ここでやることは終わったので明日は町に向けて旅立つことにした。

メイちゃんが連れてってほしいと言ってきたが正直足手まといになるので断った。


『ティア、メイちゃんにもレベルやステータスを与えることってできないかな? 泣いてたし連れて行ってあげたいんだよね。戦闘に参加できれば今後頼りになるだろうしさ。』


『メリーナ様に聞いてみますね。あ! 返事がもう来ました。もう与えたそうです。メイちゃんに伝えてあげましょう。』


メリーナ様はこっちを覗いていたのだろうか。

まあ、これで仲間も増えるのでよかった。


「静香ちゃん、メイちゃんをパーティに加えようと思うんだ。メイちゃんにもステータスが与えられたらしいから戦闘にも参加してもらえるし、どうかな?」


「私は問題ないですよ。良い子ですし、問題なしです。」


2人でメイちゃんをパーティに誘いに行った。


「メイちゃん、さっきはごめんね。静香ちゃんとも話し合ってメイちゃんをパーティに迎えたいと思うんだ。どうかな?」


「いいんですか? 私、ごはんのお世話くらいしかできないのですが。それでも必要とあれば喜んでお供いたします。」


「メイちゃん、ステータスオープンって言ってみて。」


「え? ステータスオープン?」


*ステータス

 名前: メイ(猫獣人)

 性別: 女子

 年齢: 14歳

 レベル: 1


 HP: 100

 MP: 30

 STR: 150

 DEF: 80

 AGI: 260

 DEX: 100

 幸運: 200


 スキル

  料理、家事


 ユニークスキル、加護

  創造神の加護、叡智神の加護


装備

 武器: なし

 頭: なし

 手: なし

 体: 村人の服

 足: 村人の靴


「確認できたかな? 君にもステータスが与えられたんだ。だから一緒に戦ってもらえるかな? 俺たちの旅の目的は魔王討伐だ。辛い旅になるかもしれない。それでも着いてきてくれるかい?」


「はい。精一杯がんばりますのでよろしくお願いいたします。」


メイちゃんが仲間に加わった。

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