第30話 ダンジョン攻略 ③

6階層をこのまま攻略してしまうか悩んだが1度ギルドに報告してからにした。

さらに連日の戦闘で肉体的にも精神的にも疲労がたまっているので、明日はお休みにした。

まずはギルドだ。

門番のおっちゃんに挨拶したあと、ギルドへ向かった。


「5階層まで攻略しましたので報告にきました。」


「おめでとうございます。それではギルドカードを提出願います。ところで皆さんはクランを結成してはいかがでしょうか? クランを結成するとクランランクというものが出来ます。クランランクに合わせて報酬にボーナスが着くんです。デメリットはありませんし、いかがでしょうか? ご検討ください。クラン名も忘れずに。」


「はい、検討してみます。」


「それと、今回の攻略報酬です。1階層攻略で1金貨、2階層攻略で2金貨と階層攻略ごとに報酬が上がっていきます。5階層まで合わせて15金貨になりますね。ドロップアイテムの買い取りはいかがいたしますか?」


「肉以外捨ててきたので大丈夫です。」 本当はショップで売却済みだ。


「もったいないので持てる分だけでも持ってきてくださいね。」


「6階層から変わると聞きましたが、実際にはどんな感じに変わるのですか?」


「以前お話したかと思いますが、6階層から罠が設置されています。また、宝箱も設置されています。また、魔物も強くなりますので注意してくださいね。ここまでが無料の情報です。サービスで1つ。ここのダンジョンの最下層は10階層と言われています。しかし、現状8階層までしか攻略されていません。無理なさらず、記録更新を目指してください。なお、最下層にはダンジョンコアがあると思いますが壊すことは禁止されています。コアが壊れるとダンジョンが消えてしまいますので絶対に壊さないでくださいね。」


10階層か、まだ先は長いな。

ちなみにみんなのレベルはこんな感じだ。


真治 Lv.48 勇者 転移者

静香 Lv.48 賢者 転移者

メイ Lv.45 アサシン 猫型獣人

アカネ Lv.45 剣士 ヒューマン

シルク Lv.43 メイジ ヒューマン

マリン Lv.42 レンジャー ヒューマン

カレン Lv.40 聖女 ヒューマン

ミレーユ Lv.30 ナイト ハーフドワーフ


勇者パーティのメンバーになったからか職業が着いていた。

それにカレンから見習いが消え聖女になっていた。

こう見ると、やはりミレーユのレベルが低すぎて盾役が務まるのか心配になる。

まだ日も高いので町の散策を進め、ミレーユだけを連れて5階層に戻った。

オークを一人で狩ってもらう。

もちろんパーティから抜いているので経験値はすべてミレーユに入る。

危ないときだけ俺が手を出すことにした。

盾でオークの動きを封じ、短剣で刺すのパターンで次々と狩っていく。

日が沈むころにはLv.40に上がった。

俺は終始ドロップした肉を拾う人になっていた。

それからみんなと合流した。

ルームを起動し、明日の予定について話し合った。

王都に一度戻りたいという意見が多かったので王都に戻ることになった。

転移を使うので一瞬で戻れるのだが。


王都に戻って今日は1日自由行動とした。

俺とカレンは教会に行くことにした。

新メンバー面接の際に落としてしまった回復師の女の子が気になったのだ。

彼女は両親を亡くしたばかりで、幼い弟を養うためにメンバー参加を希望した。

俺のパーティは魔王討伐を目的にしているので、命を危険にさらしている。

弟のためにもパーティへの参加は止めた方がいいと判断し落とした。

その代わり、カレンの紹介で聖女見習いになったのだ。

弟は隣接している孤児院に預かってもらった。

彼女の様子を見に来たのだ。

がんばっているようだった。

とりあえず、収納にいっぱい詰まっているオーク肉を孤児院と教会に寄付することにした。

王都に戻ったからのはクリスに会いに行かなければへそを曲げるだろう。

カレンを教会に残し、王城へ向かった。


「クリス、ただいま。」


「あら? お早いお帰りですこと。もう修行は終わったのですか?」


「いや、クリスの顔が見たくなってダンジョンから出てきたんだ。」


「本当かしら? でも、うれしいですわ。」


今までの状況を話し、明日から本格的に攻略に入ることを説明した。


「魔王の情報収集をよろしく頼む。あと、もう1頭の世話もお願いしたい。バトルホースのリッカだ。見た目はでかい馬だが、肉食なので鈴音同様に魔物の肉を与えてくれ。クリスを婚約者だと紹介しておくから馬車も引いてくれるだろう。よろしく頼む。」


「わかりましたわ。無事に戻ってくることをお祈りしております。」


リッカを城の庭に召喚し、鈴音とクリスに紹介した。

ずっとルームで待機しているよりここの方がいいだろう。

あとでギルドからテイムモンスターの証を購入しておこう。


「ちなみにリッカも鈴音も強いから護衛の代わりにもなるぞ。仲良くなれば空でも陸でも安全に移動できるようになるぞ。」


「よろしくお願いしますわ。鈴音さん、リッカさん。」


2頭とも頷いた。

主人の妻候補ということを理解しているようだ。


ギルドに向かい、リッカの分の証明書の発行と証の作成をお願いした。

念話で全員に集合要請をし、王城へ集めた。

いつもの客間にルームを起動した。

当然のように王様、王妃様、クリスも来て風呂に入って食事をした。

広くなった風呂に3人もご満悦だった。

その日は王都で夜を過ごし、次の日の朝から本格的なダンジョン探索が始まる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る