第44話 メイドさんを雇用しました
メイと一緒に奴隷店に訪れた。
ここにも村の住民が奴隷として売られている可能性もあるので。
エルフは王が禁止したので居ないはずだ。
「すまんが、メイドさんを雇いたいのだが良い子はいるだろうか?」
「はい、たくさんおりますので選んでください。」
No.1 メイド長経験者 50歳 ヒューマン
No.2 メイド経験10年 25歳 ヒューマン
No.3 メイド経験5年 20歳 ヒューマン
No.4 メイド経験2年 18歳 狼獣人
No.5 メイド経験なし 15歳 ヒューマン 家事スキルあり、商人の娘
No.6 メイド経験なし 13歳 ヒューマン 家事スキルあり、食堂の娘
「実は奴隷ではないのですがお金に困ったエルフを預かっております。」
「そのエルフさんにも会わせてくれ。」
メイド経験50年 105歳 エルフ
「メイドさんを募集しているのだが働いてくれないか? 住み込みで給料は相談にのるが。」
エルフさんはOKで仲介料を奴隷店に払うことになった。
「No.4、5、6の子たちと話をさせてもらっていいかな? あとは下がってもらって良いです。」
No.1~3まではクリス暗殺に関係していた貴族の家で働いていた。
クリスの身に危険が迫る可能性は捨てておきたい。
エルフさんは全く関係ない貴族の家で働いていたが、王からのエルフ開放の指示で解雇されてしまったそうだ。
「俺の名前は真治だ。君たちをメイドとして雇いたいと思うのだが嫌なものは居るかな?」
「あの、夜のご奉仕はあるのでしょうか?」
「大丈夫、そんな要求はしないから。それに俺は君たちを奴隷ではなく、雇いたいと言っているのだよ? もちろん給料も払うよ。」
「え? 雇ってもらえるのですか! このご恩は一生をかけてお返しいたます。」
「いやいや、大袈裟だな。3人ともOKで良いかな?」
「「「はい!」」」
「よい返事だ。この3人を購入するので手続きを頼む。他に子供の奴隷はいるのか?」
「一応いますが、目の見えない獣人と片足と片腕のない双子の姉妹が居ます。」
「その子も会わせてくれ。」
片腕のない子が片足のない子に肩を貸し、目の見えない子が片腕の無い子の服をつまんで現れた。
年齢は3人とも10歳程度に見える。
「この子たちは1金貨で十分です。買い手が現れないので来週には処分されてしまいます。」
「わかった。では、この3人も手続きを頼む。」
「かしこまりました。準備をさせますので少々お待ちください。それとお会計ですが、エルフの仲介料が5金貨、奴隷の3人は一人20金貨、欠損奴隷は3人で1金貨になりますので合計で66金貨になります。」
精算が終わったので、準備ができるまで他の奴隷を見せてもらうことにした。
残念ながらメイの村の住民は見つからなかった。
性奴隷さんの色気にドキドキしてしまったのは内緒にしておく。
だって、16歳の健康な男子なんだから仕方ないよね。
「それでは準備ができましたので奴隷契約を更新します。」
「ああ、それはこっちでやるから大丈夫。俺も契約スキル持っているので。それじゃあ、また必要になったら来るのでその時はよろしくね。」
徒歩で行ける距離なので、そのままみんなで歩いて我が家に向かった。
馬車ではなく、徒歩での移動だったのでメイドさんたちは期待が外れたかな的な顔をしていた。
さすがに欠損の3人は歩いて行けないのでリッカに運んでもらった。
家の前に着いた。
豪邸を見上げるメイドさんたち。
驚きのあまり声が出ないようだ。
「今日からここが君たちの職場であり、住居となる我が家だ。ちゃんと働いてくれよ。」
「はい! 一生着いていきます!」
さっきまでがっかりしていたくせに。
「ちなみに昨日建てたばかりだからまだまだ不備があると思うんだ。気づいたことがあったら言ってくれ。庭もまだ手を付けていないのだよ。手伝ってね。」
「ご主人様、もしかしてあそこにある木は世界樹ですか?」
「さすがエルフだね。そう、世界樹の若木だよ。」
エルフさんが拝んでいる。
メイドさんたちを引き連れて、とりあえず小ホールで仲間に紹介する。
「今日からここで働いてもらうことになった7人のメイドさんだ。みんな仲良くしてくれ。まず、身なりを綺麗にしてもらおうかな。メイ、みんなを風呂に案内してやってくれ。あと、制服を渡しておく。その他の衣類は後程ってことで。」
「ケガをしている3人はこっちに来てくれ。カレン、治せるか? 失明と、腕と足の欠損だ。パーフェクトヒールで治せるはずだからやってみてくれ。ダメなときは俺がやるから安心してくれ。」
「名前を聞いてもいいかな?」
ソラ 11歳 ヒューマン 双子の姉 左腕欠損
サラ 11歳 ヒューマン 双子の妹 右足欠損
ミカン 9歳 兎獣人 失明
「カレンは聖女様だ。きっと治してくれるぞ。」
カレンは、ミカンの失明を治療することができた。
目が見えるようになり、ピョンピョン跳ねてミカンが喜んでいる。
カレンはMPを大分消費してしまい限界のようだ。
「ソラとサラは俺が治すよ。ソラ、サラ、こっちにおいで。」
『ティア、フォロー頼む』
パーフェクトヒールを発動すると欠損部位が光り出し、段々ともとの形状に戻ってきた。
二人とも確かめるように動かし、欠損部位が復活したことを確認した。
二人とも泣き崩れ、何度も感謝の言葉を繰り返した。
「パン、アカネ、ちょっと来てくれ。この3人は同い年くらいだから友達になれるだろう。一緒に風呂に入ってこい。」
5人は仲良く手をつないで風呂に向かった。
今日は俺が料理を作って新居のお祝いとメイドさんたちの歓迎会をすることにした。
クリスも専属メイドさんを連れてきて全員が揃ったことになる。
小ホールに料理を並べ、ビュッフェスタイルにした。
メイドさんたちがクリスを見つけて驚いている。
「ちゃんと説明していなかったな。婚約者のクリスタルだ。知っての通り、この国の第4王女だな。」
「初めまして、クリスと呼んでくださいね。よろしくお願いします。」
「あの、ご主人様はいったい何者なのですか?」
「えっと、俺はSランク冒険者の真治だ。また伯爵の爵位もある。そして、さっきも言った通りクリスの婚約者でもある。そして秘密にしてほしいのだが、女神メリーナの使徒である勇者だ。」
「伝説の勇者様。。。」
「それで世界樹が庭にあったのですね。」
「それは微妙だが、確かにメリーナ様に種を頂いた。」
「そうだ、給料を決めてなかったな。クリスの専属メイドさん、おいくらぐらいが相場ですか?」
「私の名前はシーナです。よろしくお願いしますね、旦那様。お給金ですが、わたくしは月に2金貨頂いております。」
「じゃあ、1金貨でいいか。どうかな?」
「十分です。以前のところではそんなに頂いておりませんでした。それに勇者様のお世話ができるのであれば無料でも結構です。」
「雇うと言ったのだからちゃんと払うよ。それとみんなの奴隷契約を解除するね。奴隷ではなく、従業員として扱うからね。そのつもりでよろしくね。」
「シーナさんにはメイド長をお願いします。他の人たちはシーナさんの指示に従うように。それとエルフさんと3人の新入りメイドさん、自己紹介をお願い。」
サーシャ エルフ 105歳
アンリ 狼獣人 18歳
ケート 商人の娘 15歳
エミリー 食堂の娘 13歳
ちなみにシーナさんは25歳らしい。
それからメイドさんたちに部屋を割り当て、生活必需品や衣服、下着等を配った。
ソラ、サラ、ミカンはまだ幼いので壁をぶち抜いて3人部屋にした。
ちなみにパンがたまに俺のベットに潜り込んでくることはみんなには内緒にしている。
まだ8歳だし、一人じゃ寂しいのだろう。
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