第55話 現状報告
光龍のパワーレベリングのおかげで一気に全員がレベアップした。
そして、光龍と白狼は魔物、魔族の死体とドロップアイテムを回収してくれたため、インベントリ内は素材でいっぱいになった。
ギルドに売却するにもこの量では破産しかねない。
ギルドが必要なものだけ売ってあげようと思う。
サーベルタイガーとキラーパンサーだけはジョージさんに売ってあげよう。
まずは現状をギルドに報告しておこう。
「こんにちは。ギルマス居ます?」
「あら、真治様。少々お待ちくださいね。」
「やあ、真治くん。今日はどんなビックリ情報を持ってきたんだい?」
「まず、ドラゴンを仲間にしたのでテイムの証をください。」
「はあ! ドラゴンを仲間にしたって! ウソだろ?」
「いや、本当ですけどね。そこにいる子がそうですよ。」
パタパタと浮遊しているサンシャインを指さした。
「変わったトカゲだな。レア種か?」
「さっきから言ってるけど、ドラゴンだってば。光龍だよ。」
「やあ、人間さん。僕は光龍のサンシャインっていうんだ。よろしくね。おっきくなってあげてもいいけど、ここが無くなっちゃうわよ?」
「え? 話せるのですか? 光龍様。テイムの証を作製いたしますので少々お待ちください。」
「ギルマス! まだ行かないでくださいよ。話の途中ですよ。光龍と白狼の力で魔王城ごと結界で封印してきました。魔の森の魔族も一掃したので当分の危険はないと思います。」
「それは有難い。王様と他国にも伝えておきます。真治よ、俺の心臓はいくつあったら済むのだ。今、何度も止まりかけたぞ。」
「それはごめんなさい。良い情報だったので許してくださいね。あと、リスト渡しますのでほしいものがあれば売りますよ。」
「おいおい、こんなにあるのか。そうだな、全部は無理だから見繕って連絡するよ。俺のおごりだから、そこで食事をしながら待っててくれ。」
食事をしながら待っていると受付嬢がテイムの証とほしい素材リストを持ってきた。
解体場にリストにあった素材を出し、報酬をもらってギルドを後にした。
数日後、俺の冒険者ランクがSSになった。
次にジョージさんの店に向かった。
もう顔パスになり、すぐにジョージさんを呼んでくれた。
「真治さん、先日のオークションに出品したものが高額で落札されましたよ。」
「ありがとうございます。では、落札金額の2割はジョージさんの取り分としてください。手数料です。それと追加があるのですが良いですか?」
「そんなに頂けるのですか? これからもよろしくお願いします。もちろん追加はいくらでもどうぞ。こんなにワクワクする商売は久しぶりですよ。真治様にお会いできて本当によかった。まだまだ息子には渡せませんな。」
「そうだ、ジョージさんにこれを差し上げますよ。収納無制限、時間停止付きのマジックバックです。私にはインベントリがあるので必要ないのでどうぞ。これからも長いお付き合いをよろしくお願いします。」
素材をマジックバックに移しジョージさんに渡した。
伝説級のマジックバックを受け取り震えていた。
これがあれば身体一つで商売が可能になってしまう代物だ。
馬車を何台も連ねて旅をする必要が無いのだから。
「精算には時間がかかるでしょうからゆっくりで構いませんよ。では、今日は失礼しますね。」
放心状態のジョージさんを残し店を出た。
家に戻るとシーナさんから専属メイドを選んでほしいと言われた。
側仕えは必要だろうというのだが平民育ちの俺にはあまり必要性を感じていない。
どうしてもというのでミルクを指名した。
ミルクは食事担当でメイドではないだろうと言われたが、あの巨乳と癒し系の見た目は譲れない。
ということで、メイド服を着たミルクが常に俺の部屋にいて世話をしてくれる。
メイドとしての仕事は俺が外にいるうちにシーナさんが指導してくれるそうだ。
元宿屋の娘なので気が利き、俺には今のままでも問題ないのだが。
「ミルク、ちょっと耳かきしてくれないか?」
ミルクの膝枕で耳かきをしてもらうのが最近のナイトルーティンだ。
癒されるわ~。
そして、俺の部屋は広いので仕切りを作り、ミルクの部屋を新たに追加した。
何か用があればすぐに対応できるようにするためらしい。
簡単なキッチンも作ったので、そこでお茶を入れてくれる。
俺が引きこもりになりそうで怖い。
もう一つ、クリスが嫉妬しないか怖い。
メリーナの祭壇に向かい、現状の報告を行った。
「そうか、封印したのか。一気に魔王の力が弱まっておるぞ。あの結界は魔素の移動も阻害しているようだ。だから結界内の魔素を使い切ってしまったら終わりだな。魔王に魔力を吸われてどんどん下級魔族の数が減っておるぞ。よくやったぞ真治よ。」
「俺ではなく、光龍と白狼が結界を作ってくれました。メリーナ様の使いですよね?」
「そうじゃな、確かワラワが作ったはずじゃ。封印された魔王の管理を任せておったはずじゃがな。まさかお主と眷属契約するとは。」
「力強い仲間ができました。もう魔王をやれちゃうかもしれませんね。」
「それは微妙だが、当分は安全なのは確かだからゆっくりすると良いぞ。」
「了解です。まだまだ精進いたします。」
テラスから庭を見ると芝生の広場でポチとサンシャインが楽しそうに昔話をしていた。
畑の方も整備されつつあり、芽が出ている場所もあった。
順調に育っているらしい。
果樹園の方は実がなるまで数年かかるだろうからまだまだ先だな。
『マスター。木の精霊のドライアドをテイムしてはいかがですか? 樹木の成長を早めることができますよ。』
『どこにいるか分かるのか?』
『東の密林に生息してます。』
『スカウトしてこようかな。』
次の目的地が決まった。
その前に王にも報告しておこう。
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