戦国時代を蹴散らせと、蹴鞠の音が鳴り響く 蹴鞠御三家の奥義は如何に?!
戦国時代、織田右府公。織田上総介信長が、元服前に野伏と考案した戦国蹴球(サッカー)。右大臣となった信長公が安土の城で見下ろすは、天下の毬か、それとも蹴る毬か……。
甲賀忍軍の少年差助(サスケ)が出逢った公家の青年飛鳥井紫乃武は、信長公の蹴鞠道指南役だった。
信長が狙う秘賀茂神社の御神体、賀茂御分雷毬……。その中に秘められたのは、日本古代史に生きた蘇我入鹿の心の臓だった。キックする事で彼の心臓は電気ショックを与えられたように、また動き出すのか……。失われた首と心の臓が繋がる時、計都星とラゴラは天から落ちる……。
12世紀頃イギリスで固められた現代サッカーが戦国時代にの日本でも? 戦国時代に伴天連が齎したアソシエーション・サッカー=ア式蹴球。
首が飛んだ武者の骸が散らばる戦場で、武者の髑髏が風に啼く……。転がる物が何かも知らず、童に蹴られた髑髏の欠片を運ぶ風……。信長公が酒注ぐ器は、嘗ての義理の弟の、金の髑髏の盃か……。
三本足の八咫烏と、蹴鞠御三家の一、賀茂家に伝わる蹴鞠の極意……。京と奈良を繋ぐ道は三つの大道。兵を進めるルートの中で、権謀術策。攻めるに難で守るに易しか? 申刻午後4時、酉刻午後6、戌刻午後八。夕方の太陽三本足。申と鳥と犬がお伴か、甲賀のサスケが闘うは、丑寅金神明けの明星……。宵の明星、申・酉・戌と、明けの明星、丑・寅・卯。六色に塗られた毬の中、三色混ぜた毬二つ。三つ巴の毬を二つ作れば、日の本東西安寧と、第六天魔の信長が支配する右府が、心の腑、右へ宿る。左右反転肉体の槍が貫く左胸……。代わりに刺された秘賀茂の毬が宿した嘗ての暴君の、想念何処よりか蘇らん……。
差助に同行する蛍という美少女が、兵どもが夢の跡で、毬を依り代に、悲哀の骸の魂を神あがりさせるまで……。