作者様の別の大作とは同じく北九州西部の彼杵を始まりの舞台として物語が展開される(重い…じゃなくて深い地元愛が伝えてきます!)、今回は激動の幕末!戦国時代と違ってある程度の独立性を保てながら他藩と技術・経済面で競争するも、主人公のソフトランディング志向によって幕府の枠組みの下になければならないので領土は拡大できないし、色々なしがらみに囚われるし、その上に列強とも衝突と付き合いがありますので政治・外交は戦国時代よりも複雑で爽快というよりは別の意味での読み応えがあります。前150話(多分)ぐらいまでは技術・殖産面のガチ検証?話、特に金の計算が多く占めているので、まるで転生金策の指南書のようでぶっちゃけわかりにくいから色々読み飛ばしてるけどそれはそれで面白かったです。その後は政治と外交の話が主になります、特に交渉に関する話が長く、正直これを読むまで交渉ってこんなに面白く描写できるんだなと思いませんでした。
この作者様の知識量には只々感服します、それが資料を調べながら書き上げたものだとしても大量な歴史・政治・技術情報を読者に読みやすいように構成できたのは高い文章力の表れです。なにより長いし読み応えがあります(時間が溶けてしまうけど…)し、読みやすいので飽きません!
歴オタの皆さんも是非一読を!