第8話 飯沼勘平長継



 蹴鞠のかかり。蹴鞠道が戦国時代に流行った理由は、沼地の干拓後に、地ならしをする為。

 そして戦国武将が荒れ地を開墾し、平地での戦いの為。

 平地戦を得意としていた徳川家康にとって、戦国蹴球を農民に広める事は干拓と戦場とする場所を整地する両方の意義があった。

 伊奈忠次は干拓を、大久保長安は金堀を。大久保長安は伊達政宗公の娘,

五郎八姫いろはひめの婿となる長沢松平家当主、松平忠輝公の側付きになる男。

 まだ大久保長安は、水銀を遣って金を精錬するアマルガム精錬法を学ぶ為、熱田に居た。

 織田信長公まだ上総介、右大臣(右府)に任官はされていない。家康公も内大臣=内府ないふとはまだ呼ばれていない。

 日本では左大臣の方が位は上だった。

 信長配下の美濃四人衆=岐阜四天王の一人、飯沼勘平長継が蛇の目の紋から鷹の羽の家紋に改め、信長の使者として家康公と接見した5日後、飯沼長継は鷹の羽の家紋を石灯籠に刻ませていた。

 飯沼長継は土岐家から斎藤道三の時代美濃戦国大名に仕えた人間だった。

 伊勢平氏の織田家と清和源氏の土岐家と明智家とは同族だった飯沼家は、信濃源氏だった。

 熱田神宮が伊勢平氏が支配する地域で、御神宝の三種の神器の草薙剣をご神体としていた場所。

 織田一族の室町幕府からの脱却の狙いは吉田神道外しだった。

 家康公が死した後の東照大権現の神号は、天海大僧正が天台宗と神道を繋げた山王一実神道で名付けたもので、大明神を主張した吉田神道の梵舜ぼんしゅんは負けた。

 室町時代に吉田兼倶かねともが各地の神社に送り込んだ吉田神道絡みの祢宜ねぎを排除する為に、信長はキリスト教の伴天連ばてれんに接触した。

 伴天連が持ち込んだ異文化の中、イギリス発祥とも言われるサッカーが、日本で蹴鞠と習合した。

 北朝系の天皇の時代の室町幕府と南朝系天皇を正統した楠木正成公。

 足利源氏だった足利幕府が北朝系を支持し、室町幕府を倒幕する大義名分が南朝系天皇を支持だった時、必然的に室町幕府時代の吉田神道が送り込んだ神社の祢宜の排除に動くのは当然だったのだ。

 徳川幕府も織田平氏、豊臣秀吉公を経て、源氏政権だった時に、吉田神道を排除する為、吉田神道の大明神の神号を家康公に追号させなかった。

 松平家は賀茂松平家だった。日本サッカー協会のヤタガラスのシンボルマークは、賀茂家のシンボル。

 蹴鞠道の御三家、賀茂、難波、飛鳥井家。

 日本蹴球は賀茂家の流れで、賀茂神道ヤタガラスで、三本足が一本足に統合されたのだ。

 三本道。

 保守中道、左翼、右翼。

 神道の流れが大道として賀茂家に一本かされた時、他の神道は左翼か、右翼かになった。

 鷹派と鳩派。

 先陣、先鋒、軍事的に示威行為をちらつかせる態度で外交をする立場であった彼らは、信濃源氏であり、長崎平氏としても存在していた一族の出自をどちらに遡るか。 

 二つの翼を持っていた一族が、蛇の目としての右翼か鷹の羽として左翼に変じるか。

 飯沼長継の仁王が二人。

 美濃四人衆だった時代、新羅三郎義光公が甲斐源氏の祖。賀茂次郎義綱公の賀茂松平。

 八幡太郎義家公が源氏の嫡流。鎌倉幕府の源頼朝公の母親は熱田神宮の神官の娘だったのだ。

 熱田神宮の草薙剣。新羅の人間に奪われた御神宝草薙の剣が一度沈んだ壇之浦で、平家は滅亡した。

 海の中から回収された剣が本物だったのか?

 もう一度、剣を沈める為に平家は壇之浦で滅亡したのか?

 熱田神宮のレガリア。

 熱田神宮が草刈り鎌で、草を薙ぎ、平野に軍勢を呼び込む場所。

 美濃国不破の関。

 通称関ヶ原は美濃国あったのだ。

 美濃四人衆=岐阜四天王である飯沼長継の使命。


 懸かりの四方拝としての木を植える。

 種を蒔き、草を撒く。

 大地を鎮める雷落とし。

 絹で巻かれた毬を蹴り、大地の電気を帯びさせた毬へ。

 天の柱が大地に立つ時、大地が動く……。

 雷落としが、柱を砕き、天と地は互いの流れに戻った時、時空の歪が解ける。

 大地の重力値と天の重力値は違う。

 相対性理論で補正する重力値。

 高い場所程重力値が低い。

 重力補正をする相対性理論が働く時、雷が落ちる。

 雷を呼び込む毬を……。

 戦国蹴球で……。

 

 草=忍び・・・・・・。

 草はそを埋める役なのだ……。



 天正元年(1573年)




 ステージ8 タイムアップ

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