モラウ・ボウ「哲学なんて、戦争にはいらないのよ!」
開拓民フロンデイア連合に属する開拓星、惑星フィロスフィア。
そこに住む哲学好きの少年、コムロ・テツは、支配国家リバタニアの襲撃を受け、その戦火の中、思考金属『ニョイニウム』の塊に乗り込む。
ニョイニウムは、人間の思考をエネルギーに、高質化、増殖、具現化等を行う『考える金属』である。本来、人間を導くためのその金属は、戦争の道具として使われていた。
コムロが乗り込んだニョイニウムの塊は、哲学者イマヌエル・カントの思考が注入された|起動哲学先生《モビルティーチャー》、カントムだった。
意思の疎通にも難のあるカントムと対話しながら、コムロは、リバタニア軍のモビルティーチャー達と戦い、頭角を現していく。
哲学者ルネ・デカルトをベースにしたデカルトン。
哲学者マイケルサンデルをベースにしたマイケノレサンデノレ。
哲学者ヒュームをベースにしたヒュームリオン。
哲学者ヘーゲルをベースにしたヘーゲイル。
哲学者ニーチェをベースにしたニーチェッチェ。
哲学者ジョンロックをベースにしたロックウェル。
それらとの戦いの中で、コムロは、幼馴染の少女モラウ・ボウを守るべく、自律に目覚めていく。
戦争終盤、ついに、最強の敵が現れる。それは、リバタニア軍の機関『アカデメイア』の天才学者、オーイ・オチャノミルク教授が駆るニョイニウムの塊だった。
オーイ教授が駆る、ギリシャ三賢人である、ソクラテス、プラトン、アリストテレスの思考を同時注入したニョイニウムの塊と戦い、終戦を迎える。
生き残った者達は、宇宙の奥の、まだ人間が認識できていない星へと旅立つ。
プラトンの哲人政治の如く、新たに誕生した哲学者をリーダーにして。
その船の前方スクリーンに映る星々は、存在論の観点からは、まだ存在していなかった星であった。