概要
ガラの悪い連中に絡まれていたのを助けてくれたのは、同じ学校に通う男子生徒の桐生輝明。二人に面識は無かったけど、棘は有名だから顔と名前は知っていたと言う桐生。しかしそれを聞いた棘は、ヒステリックな声を出す。
「有名……そうだよね。私みたいなイタイ子、有名で無いわけが無いよね」
龍宮棘。彼女は悩みを抱えた、見た目は16歳、戸籍上は三十路の高校生である。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!いばらのトゲは愛によって溶かされる❤ 凍てつく時の狭間の玉響の物語⌛
最初に言っておくわ! まともなレビューをご所望なら、他の方をあたってちょうだい。私は、超とんがった書き方をするからね、ギラン❇
『カクヨム史上最低最悪のヒロイン』
本作ヒロインに触れた私の当初の印象よ。いばらのトゲを身に纏《まと》い、周囲に敵意を撒き散らす。まるで、ハリネズミガールね? 『いばら姫』とは、よく言ったものだわ。
このヒロインの態度は、私の考える『ヒロイン像』とは正反対だったの。
あまりに酷かったので、私は作者様にそれを可視化させて突きつけてやったわよ! ふふっ♪
詳しくは、各話の応援コメント欄を確認してちょうだい。
本作の見どころは、なんといっても、『コール…続きを読む - ★★★ Excellent!!!時が流れても冷えない想いがここにある。SF要素の効いた恋愛小説。
主人公の龍宮棘はJKである。
ただのJKではない。難病のために治療法が確立されるまでの14年間コールドスリープ処置を施され、つい最近になって目覚めた、肉体年齢は16歳、戸籍上は三十路のJKである。
というユニークな設定が持ち味の恋愛小説です。
コールドスリープというガジェットは主にSF作品で活用されるものですが、こちらはあくまでも現代日本(というと冷凍睡眠技術が存在する以上語弊はあるかもしれませんが)を舞台とした恋愛小説なわけで、珍しいパターンと言えるのではないでしょうか。
目覚めたときには世の中は様変わりしていて、すっかり浦島太郎状態の棘。世代の異なるクラスメイトにうまく溶け込めないば…続きを読む - ★★★ Excellent!!!眠り姫は目覚めた時に何を想う――
これは難病の治療法が見つかるまでコールドスリープして、病気が治って元気になる未来を夢見る物語――
なのですが、一筋縄ではいかないのが現実。
主人公の棘はコールドスリープして病気が完治したのはいいけれど、眠っている間に世界が一変していた事に戸惑い、孤独感を募らせていた。
そんな時に声をかけてきたのが同級生だという桐生輝明。最初は接し方がわからなかった棘だったが、グイグイ近づいてくる彼に閉ざしていた心が徐々に開いていく。
長い間眠っていた間に色々な事が変わっていた、という事実を知って戸惑う心情や、自分一人だけが置いていかれてしまったという孤独を丁寧な文章で書かれていてとても読みやすいです。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!たとえどれだけ時間が過ぎたとしても
難病の治療のため、コールドスリープをしていた棘。
彼女は目覚めると、世界は未来になっていて、まるでタイムスリップをしたかのようでした。
周囲とのギャップに悩み、高校生活もうまくいかない。さらに両親は離婚していて、好きだった母親とは離ればなれになり、新しい家族まで増えていた。
そんな棘の前に現れたのが、学校でも人気者の輝明。
棘は彼に手を引かれ、徐々に明るい場所へ連れられていきます。
ストーリーが進むにつれて、少しずつ明らかになっていく真相は、驚きだけではなく、不安や動揺をも運んできます。
それでもきっと、二人なら乗り越えられる。そんな確信を抱いてしまうような、終盤での棘と輝明の姿が、と…続きを読む - ★★★ Excellent!!!目覚めたいばら姫が待つのは、たった一人の愛しい人
コールドスリープという、ちょっとSF要素が効いたラブストーリー。
ヒロインの棘は難病によってコールドスリープしたのですが、目が覚めたら大きく変わった世界に取り残され、一人孤独な思いを抱える日々。
そんな彼女に近付いてきたのが、同級生の桐生くん。
まずね、この桐生くんが素敵すぎるのですよ!
頑なに心を閉ざす棘に物怖じせず、グイグイ迫ってくる様はイケメン・オブ・イケメン!!
ちょっと棘、羨ましいぞ代わってくれと何度思ったことか。
この桐生くんにペースを乱されながらも、棘は彼のおかげで『今の世界』での喜びを感じるようになり、生きる幸せを取り戻し始めるのです。
ところが、振り回され系女子…続きを読む - ★★★ Excellent!!!悩んで、苦しんで、辛くって。だけどそれ以上に、未来は希望に満ちている。
本人にとっては、ただ寝て起きただけ。
しかし同級生は自分よりはるかに年上になり、行きつけだったお店はなくなり、流行は移り変わり、さらには家族までもが変わってしまっていた。
作中にもありますが、それはさながら竜宮城へ行ってしまった浦島太郎のような心境なのでしょう。
そんな主人公・棘の心を想えば、年齢など関係なしに、不安定な精神状態に陥ってしまっても無理もないかもしれません。
手元に玉手箱があったなら、中身がどんなものかを知っていながら、開けてしまうかもしれません。
けれど、長い眠りについたからこそ、結ばれた縁もある。
現実にコールドスリープの実用化が成された暁にも、このような作品の存在が当事…続きを読む - ★★★ Excellent!!!設定をフルに使いこなした、ハイレベルなストーリー
特殊な設定の物語って、別にこの設定じゃなくてもよくない?っていう感じになってしまうことも多いかと思います。
ですが、本作で私が強く思ったのが、とにかく設定を使いこなしていて上手い!ってことでした。
その特殊な設定ならではの家庭環境、悩み、葛藤。
その描き方がすごく上手いです。
恋愛要素の部分においても、偶然や運命なんてあいまいなものではなく、その出会いも含めて、とにかく設定を上手く活かしています。
だからこそ主人公の悩みや葛藤、感情の流れが自然で、私にはそんな経験なんてないのに、すごく共感できました。
つい、応援コメントにも力を入れてしまう始末。。。
設定を上手く活かしているから、物語のどの…続きを読む