眠り姫は目覚めた時に何を想う――
- ★★★ Excellent!!!
これは難病の治療法が見つかるまでコールドスリープして、病気が治って元気になる未来を夢見る物語――
なのですが、一筋縄ではいかないのが現実。
主人公の棘はコールドスリープして病気が完治したのはいいけれど、眠っている間に世界が一変していた事に戸惑い、孤独感を募らせていた。
そんな時に声をかけてきたのが同級生だという桐生輝明。最初は接し方がわからなかった棘だったが、グイグイ近づいてくる彼に閉ざしていた心が徐々に開いていく。
長い間眠っていた間に色々な事が変わっていた、という事実を知って戸惑う心情や、自分一人だけが置いていかれてしまったという孤独を丁寧な文章で書かれていてとても読みやすいです。
たくさんの辛い出来事や自分の置かれた状況を乗り越えた先にあるのは、きっと幸せな未来であると信じて。
眠り姫は目覚める為に夢を見る――