最初に言っておくわ! まともなレビューをご所望なら、他の方をあたってちょうだい。私は、超とんがった書き方をするからね、ギラン❇
『カクヨム史上最低最悪のヒロイン』
本作ヒロインに触れた私の当初の印象よ。いばらのトゲを身に纏《まと》い、周囲に敵意を撒き散らす。まるで、ハリネズミガールね? 『いばら姫』とは、よく言ったものだわ。
このヒロインの態度は、私の考える『ヒロイン像』とは正反対だったの。
あまりに酷かったので、私は作者様にそれを可視化させて突きつけてやったわよ! ふふっ♪
詳しくは、各話の応援コメント欄を確認してちょうだい。
本作の見どころは、なんといっても、『コールドスリープ』という設定を極限まで使い尽くしていることよ。
『そんなところまで考えているの?』と思えるほど細部にまで行き届いているわ🌟
取り敢えず、ヒロインのことは棚に上げておくわ。よっこいしょ、っと。
練りに練られた設定。魅力溢れる登場人物たち。重く様々なことを考えさせるテーマに、それをサクサクと読ませる軽快な筆運びとユーモア。
とんでもないポテンシャル(潜在能力)を感じさせるわ。
無月弟先生、恐ろしい子💖
コールドスリープモノの傑作と言っても過言ではないわ。もう少し加筆すれば、充分に商業化に耐えられる程よ。つまり、プロレベルってことね🐬
本作ヒロイン龍宮棘さんの最終的な印象は、ヒ・ミ・ツ💓
竜宮城に向かった浦島太郎のように、あなたもカメに乗ってこの物語の世界へ旅立ちなさい🐢
決して後悔はさせないわよ、キラン✴
主人公の龍宮棘はJKである。
ただのJKではない。難病のために治療法が確立されるまでの14年間コールドスリープ処置を施され、つい最近になって目覚めた、肉体年齢は16歳、戸籍上は三十路のJKである。
というユニークな設定が持ち味の恋愛小説です。
コールドスリープというガジェットは主にSF作品で活用されるものですが、こちらはあくまでも現代日本(というと冷凍睡眠技術が存在する以上語弊はあるかもしれませんが)を舞台とした恋愛小説なわけで、珍しいパターンと言えるのではないでしょうか。
目覚めたときには世の中は様変わりしていて、すっかり浦島太郎状態の棘。世代の異なるクラスメイトにうまく溶け込めないばかりか、眠っている間に両親は離婚、新しい母親とともに弟まで出来ている始末。
孤独に苛まれる中でイケメン同級生・桐生輝明に手を差し伸べられた棘は、彼と交流しながらお互いに想いを深め合っていくのですが……。
終盤まで読んだとき、タイトルの本当の意味が明らかになります。
これは難病の治療法が見つかるまでコールドスリープして、病気が治って元気になる未来を夢見る物語――
なのですが、一筋縄ではいかないのが現実。
主人公の棘はコールドスリープして病気が完治したのはいいけれど、眠っている間に世界が一変していた事に戸惑い、孤独感を募らせていた。
そんな時に声をかけてきたのが同級生だという桐生輝明。最初は接し方がわからなかった棘だったが、グイグイ近づいてくる彼に閉ざしていた心が徐々に開いていく。
長い間眠っていた間に色々な事が変わっていた、という事実を知って戸惑う心情や、自分一人だけが置いていかれてしまったという孤独を丁寧な文章で書かれていてとても読みやすいです。
たくさんの辛い出来事や自分の置かれた状況を乗り越えた先にあるのは、きっと幸せな未来であると信じて。
眠り姫は目覚める為に夢を見る――
難病の治療のため、コールドスリープをしていた棘。
彼女は目覚めると、世界は未来になっていて、まるでタイムスリップをしたかのようでした。
周囲とのギャップに悩み、高校生活もうまくいかない。さらに両親は離婚していて、好きだった母親とは離ればなれになり、新しい家族まで増えていた。
そんな棘の前に現れたのが、学校でも人気者の輝明。
棘は彼に手を引かれ、徐々に明るい場所へ連れられていきます。
ストーリーが進むにつれて、少しずつ明らかになっていく真相は、驚きだけではなく、不安や動揺をも運んできます。
それでもきっと、二人なら乗り越えられる。そんな確信を抱いてしまうような、終盤での棘と輝明の姿が、とても眩しく映りました。
コールドスリープという、ちょっとSF要素が効いたラブストーリー。
ヒロインの棘は難病によってコールドスリープしたのですが、目が覚めたら大きく変わった世界に取り残され、一人孤独な思いを抱える日々。
そんな彼女に近付いてきたのが、同級生の桐生くん。
まずね、この桐生くんが素敵すぎるのですよ!
頑なに心を閉ざす棘に物怖じせず、グイグイ迫ってくる様はイケメン・オブ・イケメン!!
ちょっと棘、羨ましいぞ代わってくれと何度思ったことか。
この桐生くんにペースを乱されながらも、棘は彼のおかげで『今の世界』での喜びを感じるようになり、生きる幸せを取り戻し始めるのです。
ところが、振り回され系女子と我が道系イケメンによる王道のキュンキュンばかりではありません。
この物語には、更に深い秘密が隠されており、ラストでは涙涙の感動が待ち受けています。
読み終えた後、もう一度タイトルを見返してみてください。
ほろ苦くも甘い余韻が、胸を打つことでしょう。
本人にとっては、ただ寝て起きただけ。
しかし同級生は自分よりはるかに年上になり、行きつけだったお店はなくなり、流行は移り変わり、さらには家族までもが変わってしまっていた。
作中にもありますが、それはさながら竜宮城へ行ってしまった浦島太郎のような心境なのでしょう。
そんな主人公・棘の心を想えば、年齢など関係なしに、不安定な精神状態に陥ってしまっても無理もないかもしれません。
手元に玉手箱があったなら、中身がどんなものかを知っていながら、開けてしまうかもしれません。
けれど、長い眠りについたからこそ、結ばれた縁もある。
現実にコールドスリープの実用化が成された暁にも、このような作品の存在が当事者たちに勇気を与え、未来へ希望を抱く助けとなるに違いない。私はそう信じて止みません。
希望はあるのです。生ある限り。
眠る側と、待つ側。双方を経験した棘が、どのような形で彼との再会を果たすのか。
彼女らの希望に満ち溢れた未来へと、今はただ胸を踊らせるばかりです。
特殊な設定の物語って、別にこの設定じゃなくてもよくない?っていう感じになってしまうことも多いかと思います。
ですが、本作で私が強く思ったのが、とにかく設定を使いこなしていて上手い!ってことでした。
その特殊な設定ならではの家庭環境、悩み、葛藤。
その描き方がすごく上手いです。
恋愛要素の部分においても、偶然や運命なんてあいまいなものではなく、その出会いも含めて、とにかく設定を上手く活かしています。
だからこそ主人公の悩みや葛藤、感情の流れが自然で、私にはそんな経験なんてないのに、すごく共感できました。
つい、応援コメントにも力を入れてしまう始末。。。
設定を上手く活かしているから、物語のどの出来事も流れに無理やり感が一切なく、最後まで感情移入できました。
とてもよくできたお話だと思いました。
コールドスリープってSF映画とかでたまに見ますが、
「結局映画の中のものでしょ?」と現実味を感じない人も多いかと思います。
しかし、技術の進歩が著しい現代、
「医療用コールドスリープ」という形で私たちが生きている間に実用化される可能性は十分あると私は思います。
この作品では医療用コールドスリープが実用化され、施術された人間がどのような問題に直面するか、目覚めた後どのように現実と向き合っていくかが、女主人公のラブコメ(女主人公なのでジャンルは恋愛)という読みやすくてシリアスになり過ぎない文体で描かれています。
もしかするといつか本当に訪れるかもしれない未来、
軽い気持ちでちょっと覗いてみませんか?
ヒロインの龍宮棘(たつみや・いばら)は、医療用コールドスリープで14年間の眠りについていた、見た目16歳、戸籍年齢30歳の女子高生。眠っている間に友達は大人になり、親は離婚・再婚。家族も変わっている。学校にも家にも馴染めず、夜の街をさまよっていた棘は、同じ学校に通うイケメン御曹司、桐生輝明と出会う。一見、完璧な彼も、じつは問題を抱えていて。ワケアリな2人は次第に惹かれ合っていく——。
これぞラブコメ、というお手本のような作品だと思います。
コールドスリープした結果起こることが本当によく考えられていて、それが物語のシリアスな面を支えていく。それでいて、コメディの基本線は崩さない。話が重くなりすぎる前にスッと笑いに戻す。そのバランスが絶妙で、ずっと楽しく読めました。
また、ガラの悪い連中からの救出、壁ドン、クラスメイトたちが見ている前でのエスケープ……など、女子のヒロイン願望を満たすポイントが、かゆいところに手が届くように押さえられていて、少女漫画の原作としても人気が出そう、と感じました。
孤独を抱え、心にトゲを出していた棘が、桐生君の愛に触れて素直になっていく。それによって、家族の問題も少しずつ解決に向かっていく。その展開が温かい。
笑えて泣けてキュンとする。オススメの王道ラブコメです。
この物語はコールドスリープと『眠れる森の美女(またの名をいばら姫)』を掛けまして、主人公棘ちゃんは、病気を治すため、十五年ほどたってコールドスリープから目を醒まし、高校生活に入るのですが……。
実母いません。父親再婚してます。腹違いの弟います。
と言った感じで、彼女にとっては突如環境が変化してしまいました。
おまけに友人たちは子どもも生まれた大人ばかりで、彼女にとっては一人ぼっちになったようなものです。
そんな感じで繁華街の夜に出かけるも、根が真面目なので大したグレ方はしません……が、危険な目に遭うのが冒頭です。
彼女は病気になっても支えてくれた親に反抗するわ、いつも気にかけてくれる義母には悪態つくわ、仲良くなりたがっている弟にはそっけなくするわで、一概に「いい子」というわけではありません。
まず、もう「高校生」なので、「子」じゃないですね。でも、そんな彼女にも、ヒーローが現れます。
泣いて喚いて、ボケてつっこんで、後ろ向きになりそうでも前向きになって。そんな棘が、どのように過ごしていくのか。
この物語は家族のハートフルストーリーであり、キュンキュンする青春恋愛であり、そして、伏線がいくつも張り巡らせています。その伏線の回収の仕方に、すごい、の一言です。
悲しい涙ではなく、あたたかいホロホロとした熱の涙。是非ご一読ください!
病気を治すため、コールドスリープした女子高生。
時が経ち、目覚めてみると。
親しかった友人たちは大人になってしまうし、待っていてくれると思っていた家族にも変化があって……
グレちまうんです、主人公。
夜の町に繰り出すわけです。でも……危険です、そんなことしちゃ。
しかし、そこで現れた救いのヒーロー。
助けてくれてありがとう。……が、なんかチャラいんですけど。
コミカルな展開に、読みやすい文章。
この作品を読んでいると、少女漫画が読みたくなってきました。
いじわるだけどなんだかんだでカッコイイ男の子に、自分に自信がなく迷いがちな割に、意外なところで大胆だったりする女の子。
面白い、でもそれだけじゃない。
「泣ける」話なのです。
でも、ただ悲しいだけでは終わらない力強さがある作品です。
コールドスリープ。そこには眠る人と目覚めを待つ人がいる。
感動的なラストが印象的な、爽やかな恋愛青春ものです。
コールドスリープを扱った作品ですが。
SFではなく、『恋愛』です。
コールドスリープと聞いたらなんとなく、「宇宙船の中」で「集団」で眠り、「起床は一斉」に行われるイメージだったんです。
少なくとも私は。
(そして謎めく異生体と戦う、とか……)
だけど。
ここで扱われるコールドスリープは、「医療用」。
治療を必要とする個人のみに適応されるため、「睡眠」も「目覚め」も、たったひとりなのです。
そうなると、どうなるか。
目が覚めると、周囲の同級生は、みんな「年上」になってしまう。
自分だけが、昔の姿のまま、戸籍上の年齢だけが時と共に進んでいる。
このお話は、それにまつわる、恋愛模様を描いた物語です。
意外な切り口だなぁ、と思って拝読し続けたのですが。
読後感はさわやか。
綺麗な希望がきらきらと輝く物語です。
ぜひ、ご一読を。
コールドスリープという題材を想像力豊かに描き切った作品です。
長い年月眠っていた主人公の心理描写はもちろんですが、個人的には、眠っていた間に変化した家庭環境にも関心を抱きました。
そして、愛する人が長い眠りにつく悲哀にも心を動かされました。
悲哀などと言ってはいけないのかもしれません。
未来の希望のためにコールドスリープするのですから。
ですが、何年も待ち続ける主人公のことを思うと、やはり切なさが募ります。
とはいえ、二人の愛は確かなものなのだから。
きっと待ち続ける時間もまた愛を育みますよね。
切なさの先にある明るい未来を感じさせる、爽やかな作品でした。
大好きな家族や友人、恋人がコールドスリープを受けることになったらあなたは信じて待てますか?
現医療では治療不可能な病の治療薬が開発されるまで眠りにつき、病気を克服するためにコールドスリープを受けるという方法が医療技術として確立されている社会の話です。
主人公はコールドスリープから目覚めたばかりの少女『棘』です。その名の通り始めは彼女とっても刺々しいです。コールドスリープによって変わってしまった家庭環境や学校生活に対応しきれず心が荒んでいました。
しかし、一人の少年桐生と出会い、彼女の心や取り巻く状況は次第に変化していきます。
ラブストーリーなのですがその他の部分でも色々考えさせられました。
もしも目覚めることがなかったらという恐怖や取り巻く環境の変化へ対応できるかという不安、これを乗り越えて受けなければならないという事を読む者に訴えかけてくる作品です。
身近な人がコールドスリープについた時あなたはその人の目覚めを信じて待つことが出来ますか?