きみが目覚めたとき。わたしは側にいるよ
- ★★★ Excellent!!!
コールドスリープを扱った作品ですが。
SFではなく、『恋愛』です。
コールドスリープと聞いたらなんとなく、「宇宙船の中」で「集団」で眠り、「起床は一斉」に行われるイメージだったんです。
少なくとも私は。
(そして謎めく異生体と戦う、とか……)
だけど。
ここで扱われるコールドスリープは、「医療用」。
治療を必要とする個人のみに適応されるため、「睡眠」も「目覚め」も、たったひとりなのです。
そうなると、どうなるか。
目が覚めると、周囲の同級生は、みんな「年上」になってしまう。
自分だけが、昔の姿のまま、戸籍上の年齢だけが時と共に進んでいる。
このお話は、それにまつわる、恋愛模様を描いた物語です。
意外な切り口だなぁ、と思って拝読し続けたのですが。
読後感はさわやか。
綺麗な希望がきらきらと輝く物語です。
ぜひ、ご一読を。