題材の重さと軽やかなキャラクター。見事なバランス感覚。

難病のために14年間コールドスリープしていたヒロインの棘は、見た目は16歳、戸籍上は三十路という、わけあり女子高生。すっかり変わってしまった世の中にも家族にもなじめず、孤独感に苛まれる中でひとりのイケメン同級生と出会い……。

重いテーマとさわやかなラブストーリーを絶妙なバランス感覚で描ききっています。ラストまで読んだ時、タイトルの真の意味に気づいてふるえました。

最初はのぞき見感覚でもいいでしょう。文章も読みやすいので気負う必要もありません。ぜひ、眠り姫と王子様の物語を、その手でひもといてみてください。

その他のおすすめレビュー

野森ちえこさんの他のおすすめレビュー2,008