一九七四年

舞台は遂に戦時下の北ベトナムへ

二人だけの救出部隊が8000kmを駆ける


「フツ―ったって、俺の固体値は同年代の平均値に近似している――」
　藤本純太郎は自称一般的な、電子工作と兵器をこよなく愛する高校生である。

　一九七四年。日米ソの三つの超大国が冷戦構造の中睨み合った世界。冷戦を勝ち抜く人材を育成する為に作られた統合術科学校。そこの工学部に藤本は在籍していた。
　ある日、藤本は幼馴染の矢倉茜と共に帰宅途中に、生徒に扮した工作員を目撃する。工作員達は古い地下室へ向かい。二人は、その中にあった従来の技術力を遥かに凌駕する機兵（軍用パワードスーツ）を見つけ、工作員を追跡。潜水艦で逃走を図る工作員逹を捕らえ囚われていた千歳波音を救出した。
　それから数日後、茜の精神状態に少しずつ変化が現…続きを読む