日崎アユム/丹羽夏子

主人公（受け）のリィエンは半分虎の獣人として生まれたために、生まれ故郷にいられなくなって辺鄙な寒村で孤独な暮らしをしていました。その慎ましいと言うにはあまりにも寒々しい暮らしと、そ…続きを読む

えっ、なにこれホラー？と思ったら現代ドラマに設定されていて、これが現代ドラマという「ひょっとしたらありえたかもしれないノンフィクションに近い舞台のフィクション」であることに心底震え…続きを読む

サマーブルーム境町。幽霊が出るという噂のために格安で借りられるアパートです。住人たちは安さに惹かれただけの結構普通の人たちです。確かに常人よりは肝が太いような気もしますが、強力な霊…続きを読む

エンタメコンテンツなどで何の説明もなく当たり前のように出てくる妖怪たち。その実態はようとして知れず、なんだかいろんなことがぼかされているように思われる。けれど、そもそも実態などとい…続きを読む

まだ若いが徳の高い僧侶と、宝を守る羅刹（無知で恐縮ですが、たとえるなら鬼〇の刃の鬼のような存在でしょうか？）が、罪とは何か、生きるとは何かを語らう短編です。 羅刹が宝物の存在を示唆…続きを読む

私もあまり都会であるとは言いがたい地域で育ったので、武蔵野というのは関東平野の人が想像する美しくて洗練された都会なのだなあ、としみじみ思いました。 だからこそ、タヌキはバス移動なん…続きを読む

ここは今から少し未来の世界。女たちを働かせて「ひま」になった男たちは闘鶏に夢中になっている。昔は動物同士を戦わせることは残酷だと言われていたはずなのに、なぜか品種改良された今時の闘…続きを読む

創作をする側の人間の中には、書いていて「キャラが勝手に動いた」と思う瞬間がある、という話をご存じでしょうか。 本作の主人公はレイシェルという名の青年なのですが、彼は前世では漫画の…続きを読む

Twitterから来ました。 フォロワーが「怖いから夜に読まないほうがいい」と言うので、昼間仕事の合間に同僚が近くにいる状態で読んだのですが、昼間のエピソードもあってどっちにしろ怖…続きを読む

ひとこと紹介に書いた諸行無常はおそらく仏教の言葉で、ユーゴー帝国はどちらかといえば洋風に近い文化を持っていると思われる一神教の国なので、ここで使うのはそぐわないかもしれませんが。歴…続きを読む

この物語は、端的に言ってしまえば、戦争中の不幸がきっかけで不遇な立場に置かれた少年ジャクロと、おそらく傷痍軍人であると思われる車椅子の男”マスター”の絆の物語です。しかし文字の読め…続きを読む

こちらの作品はファンタジーものではないので剣も魔法も出てきませんが、主人公の葛葉は精神的に強く勇ましくたくましく、逆境と戦う女性です。幼い頃から苦難に耐え、自由を求めて”冒険の旅”…続きを読む

魔法とはいったい何なのでしょう。 こちらの作品の主人公であるジリアンは、魔法を学ぶ学校で苦汁を味わい、過去の家庭の問題も重なって、魔法使い（作中の言葉では「魔術師」ですが）である…続きを読む

今から二年前、日本は「エンタメは不要不急か」という問題にぶち当たりました。私が敬愛するある俳優は「不急かもしれないが不要ではない」とはっきり言いました。この作品はそれとは直接関係な…続きを読む

ブラック企業のせいで心身が疲弊した大沢旬青年。つらい浮世を離れて亡き祖母の家に移住した彼は、移住先で本当に浮世を離れてしまったおじさん幽霊と同居を始めることになる。 これは旬青年…続きを読む

話数にしてたった30話、文字数にしてわずか9万字ですが、1600年の歴史をめぐる大河小説です。 皇族に生まれながら地祇（ちぎ。吸血鬼）となった青年・稀梢（きしょう）は、不老不死の…続きを読む

戦争に負け、敵国に捕らえられたシトリューカ。彼女は敵国の将軍に払い下げられ、その将軍とともに生活することになるが―― というあらすじに嘘偽りは一切ありません。 しかし、物語はあれ…続きを読む

病弱で屋敷から出られない少女カタリナと彼女を毎週診察に来る医師シモンの心温まる交流、のはずなのですが、シモンの愛国心が、カタリナの父のカタリナへの親子愛が、そして誰よりカタリナの無…続きを読む

キャッチコピーにマザコン、とありますが、主人公セレーヌとその母親の関係は実に複雑です。読む人によってはセレーヌの抱く感情のあれこれに違和感があるかもしれませんが、そうと感じられるの…続きを読む

ポストアポカリプスの世界観の中、どこからともなく現れたロボットの欠片・麗威が廃墟と化した日本のどこかに暮らす若者たちと「交流」する物語です。 麗威はたくさんの「お話」を知っていて、…続きを読む

世に溢れ返る中華ファンタジーの渦に突入しようとしている人必見！ 一文字一文字にそんな意味があったんですね……知らなかったです。さすが表意文字の文化です。 知らずに名付けちゃったら怖…続きを読む

私も途中からこの二人（？）にある感情は恋に似ていると思っていましたが、私のとんちんかんな解釈で変なことを言っていたらどうしようと考え、胸に秘めようとしていました。最後にもう一度小説…続きを読む

ホラーです。 情緒のない言い方をしてしまえば痴情のもつれなんですが、それをそうと悟られない流麗な文体は読みやすく、さらさらと話は進んでいきます。むしろ、こちらの作者様の他作品に比べ…続きを読む

一生懸命なカタリの姿に作者様や大勢のカクヨムユーザーの姿が重なって胸が熱くなります。 みんな最初はこうやって書き始めたんじゃないかな、と思います。私はそうだったし今でもこんな感じで…続きを読む

執筆画面に現れるバーグさん！　可愛いです！！　私も助けてほしい！！！ そういえば昔ワードとかエクセルの右上に青いイルカが出てきてあれやこれや言ってきたりもしましたね。そんなバーグさ…続きを読む

男の子の描写が明らかに人外なので、最初は怪異！？　ホラー！？と思ったのですが、読み進めていくうちに彼の正体が明らかになり、これはノスタルジアでありとても優しい記憶なのだなと悟って、…続きを読む

おおゼリスリーザ、お前は何を言っているのだ……！ 彼女はちょっぴりとんちきでちょっぴりあんぽんたんでちょっぴり猪突猛進でちょっぴり暴れん坊将軍ですが、読者である私は知っていたよ………続きを読む

みんなの上に立つ者としての自分。ひとりの人間としての自分。 ひとは誰しもしがらみにとらわれて生きるものですが、王族である二人にとってはそれがとりわけ重い。 敵対するふたつの国、水の…続きを読む

アルフ・ライラ・ワ・ライラ！ 二人の語る作中作は西アジアの香の漂うおとぎ話ともちょっと違った物語。 砂漠の夜、ミナレットと玉ねぎ屋根のモスク、スルタンとマハラジャ……その風景が浮か…続きを読む

魔族の王であり竜人である魔王様と、人間のお姫様である王妃。 二人は和平のための結婚で、愛のない結婚――のはずだったけど、本当はお互いのことを深く愛しています。 だからこそ、二人の距…続きを読む

若き経済学者・橘瑞樹氏が論文にまつわるトラブルであれこれ思い悩む話を彼の妻の美緒さん視点で書かれているのですが、経済学の素人である美緒さんの目を通しているので、学界・論文発表のルー…続きを読む

ひとこと紹介に微妙な矛盾が見られますが事実だと信じています。 中華風の世界観で、巨大な帝国が滅亡したあと遊牧民の部族が帝国を支配した、という舞台設定で物語が進んでいきます。 この…続きを読む

花音は井上〇央、三田村さんは小〇旬、夏目先生は綾〇剛でどうでしょうか？ それくらい、ジャズバンドもシェアハウスも、ちょっと身近でリアルです。実際に花音と年の近い独身女性である私の身…続きを読む

つくも神、というものがあります。 日本人は古来、物にも魂が宿ると考えてきました。（当然他の国や地域にもありますが、日本は特に擬人化が好きな国であるように思います） 物は意思を持ち、…続きを読む

三号くんは村上〇郎氏、二号は松坂〇李氏がいいですね。 こちらの作品はそれくらいリアリティと申しますか、YouTubeを漁ったら本当にありそうだと感じます。日本のどこかで彼らは一号を…続きを読む

一見何の変哲もない大学生の優斗君。 大好きな幼馴染みの明日香ちゃんとじれったい両片想いをしている幸せ者であることを除けば取り立てて特徴のない青年、のはずでした。 ある時彼に押し掛け…続きを読む

遠い他府県で育った私からすると教科書で習っただけの存在が、老婆の方言で語られると、非常に生々しく、真に迫ってきます。 老婆の語る歴史は、さらに別の老女から語り聞いたもののようであり…続きを読む

暗い部屋で一人机に向かって文字を書く作家の姿が浮かび上がるようです。 作家の自問自答と彼の作った掌編のみがつづられているので、実際のところ彼がどんな環境で執筆作業をしているのか分か…続きを読む

遠い未来、地球の各国が宇宙のどこかに植民惑星をもつようになった時代、日本の影響下にあった星・アキツで物語は始まります。 主人公はサクという名をもつ少年型アンドロイド。一般用、普通の…続きを読む

つらい持病のある教師の行橋先生。 病気のために仕事には支障をきたし恋人とは別れる。 人生どん底の暗い顔をしていました。 そんな折、彼は不登校の生徒・田部くんとの接触に成功します。 …続きを読む

「ちゃんとしたレビューが書けないから★だけ……」 よく目にする言葉です。 カクヨムの使い方は人それぞれです。レビュー書かない主義の人も尊重されるべきです。 だがしかし！　「私は書か…続きを読む

放課後の教室、美しい京都の秋、想いを寄せるイケメンとのひととき── それは黄昏時で逢魔が時。だから魔が差しても仕方がない。 普段はどんなに真面目で純情な女の子でも、心が動いてしまう…続きを読む

猛ダッシュおちんちん企画の参加作品を読んでいるはずがなんだかすごい壮大なドシリアス作品を読んでいる気持ちになり最後は世界平和を祈るはめになるとは思っていませんでした。 男性のいなく…続きを読む

主人公は実質バスの運転手ですね！ 最初ほんのりしみじみしていて、地域猫を見守る優しい彼（？）のモノローグ、それから地域猫たちの気ままで可愛い会話、といった流れで、どこに巨大おちんち…続きを読む

今日カクヨムで読んだ作品の中で私内お前は何を言ってるんだ大賞を受賞した名言です。 しかし最後まで読んでいくと主人公氏は確かにおちんちん博士なんですね。私のレビューが何を言ってるんだ…続きを読む

何を言っているか分からないと思うけどとりあえず読めば分かります。 冒頭はパニックものの文体で、極端に句読点が少ない文章で必死に逃げる主人公の混乱ぶりを丁寧に描写していて、主人公に感…続きを読む

スペースオペラ風で、古き良きＳＦであり洋画のノリもあり、たいへん素晴らしい作品なのですが、戦っている相手は地球外ちんちい体で、宇宙でちんちんと戦っているというのがなんともすごい絵面…続きを読む

男の子視点ですが、昔流行ったwhite berryというガールズバンドの「夏祭り」という歌を思い出しました。 「夏祭り」では打ち上げ花火は「空に消えていって」しまうんですけど、こち…続きを読む

カクヨムの検索機能についてここまで知り尽くしている方はいらっしゃらないのでは！？　単語ひとつしか入れたことのない私は目から鱗の連続でした！ 三つまでand検索してくれる話、タイトル…続きを読む