概要
青峰殿書額堂の主、汎砂と稀梢。帝の言葉を通じて歴史を綴る彼らは……
天命を承けた王朝の歴史を編纂する青峰殿、書額堂の主、汎砂と稀梢。
繰り返す易姓革命、天と地祇。帝の言葉を通して歴史を綴る彼らのたどり着くさき。
架空世界史中華風ファンタジー
繰り返す易姓革命、天と地祇。帝の言葉を通して歴史を綴る彼らのたどり着くさき。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「天命は、人の営みのうちにある」。そんな人の営みを見つめてきた者の物語
話数にしてたった30話、文字数にしてわずか9万字ですが、1600年の歴史をめぐる大河小説です。
皇族に生まれながら地祇(ちぎ。吸血鬼)となった青年・稀梢(きしょう)は、不老不死の肉体を得、生まれた一族の王朝が滅んでも、その後のあまたの興亡を目の当たりにしても、そして最後の帝国を見送っても、ただそれを史書に書き留めていくだけで、実質傍観者として生きることになります。
最初は人間の起こす事件事故に一喜一憂し、生きている人々に手を貸したこともあった稀梢ですが、やがて悠久の時を生きる存在として浮世を離れていきます。この境地は悟りを開いたといえるかもしれません。しかしその変化が読者としては切ない限…続きを読む