代々の国の歴史を記録する書額堂。そこを司るは永遠を生きる不死者だった。とにかく雰囲気たっぷりな世界。その中で人々が笑い、泣き、喜び、悲しむ。そんな小さな暮らしの積み重ねが大きな物語を織りなす糸となって交錯していくダイナミクスに痺れます。そして、読み手はいつしか気付くことでしょう。これが「歴史」なのだ、と。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(451文字)
物語は、皇族の一人である十五歳の少年稀梢が、彼の父に連れられて書庫へとやってくるところから始まります。 皇族でありながらどこかのんびりした稀梢は、そこで書額堂の主、汎砂と出会います。穏やかな出会…続きを読む
話数にしてたった30話、文字数にしてわずか9万字ですが、1600年の歴史をめぐる大河小説です。皇族に生まれながら地祇(ちぎ。吸血鬼)となった青年・稀梢(きしょう)は、不老不死の肉体を得、生まれた…続きを読む
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