こちらの作品はファンタジーものではないので剣も魔法も出てきませんが、主人公の葛葉は精神的に強く勇ましくたくましく、逆境と戦う女性です。幼い頃から苦難に耐え、自由を求めて”冒険の旅”に飛び出しますが、自分らしさを見失わず、捨ててきたはずの運命とも見つめ合うことができます。悩み苦しむシーンもあるものの、全体を通してみると彼女がとてもしっかりしていて、拝読していてストレスを感じませんでした。
幼馴染で初恋の人である蔵王も、確かに”腹黒イケメンに溺愛される”なんですけど、どこかさっぱりしていて、葛葉を表だって束縛することはなく、徹頭徹尾彼女を尊重してくれます。彼女を鳥籠の中に囲うようなタイプではないです。
途中先の展開が予想できなくてはらはらできるのも楽しかったです。ここからどうやってハッピーエンドに!?と思いましたが、なるほどそういうエンドなんですね。とてもよかったです。
とても素敵な作品でした。読んでいてとても楽しかったし、なんとなく癒されました。