ツンデレのリィエンは虎の半獣。
母を亡くし、ひとりぼっちで山で暮らしていると、ある日、怪我をしたクアンを発見する。
ツンツンしていても、根は優しいリィエン。
半獣であることを誰にも悟られたくないのだが、リィエンはクアンを助けた。
そこから始まるリィエンとクアンのラブ物語。
クアンの正体は?
半獣と人間。苦難を乗り越えた先には……。
っと、完結まで読ませていただきました。
やっぱり虎ちゃん。慣れないうちは猫のように、ツンっとしてるけど、慣れると甘々。
クアンもリィエンの可愛さにノックアウトされますよ。
とても面白かったです。
ぜひ、オススメのBL作品です。
主人公(受け)のリィエンは半分虎の獣人として生まれたために、生まれ故郷にいられなくなって辺鄙な寒村で孤独な暮らしをしていました。その慎ましいと言うにはあまりにも寒々しい暮らしと、その暮らしで擦り切れた彼の心の痛ましさに、最初は心配しどおしでした。
そんな彼のふところに、するりと入ってくるクアン(攻め)。彼も大きな隠し事をしているようですが、リィエンとクアンの生活はなんとなく微笑ましくて、リィエンの頑なだった心が癒えていく過程にはほろりときました。
生まれ故郷では、虎は薬にされてしまうと刷り込まれてきたようですが、終盤「剥製にされてもいい」と言い出した時にはもう涙をこらえきれませんでした。切ないねえ。
モフモフ要員の豆鹿のマイちゃんも最後の最後に大きな役割を果たして、おおっ!となりました。食っちまえ、なんて言ってごめんね、マイちゃん。野蛮なのは虎の子のリィエンではなく読者の私でした。