読み進めれば、随所にいまだ美しくきらめく、かつて無垢だった友情の破片。それだけになお怖ろしい、その影にひそむ牙。その姿は、まさに鈴蘭の、白く細やかで美しい花そのもので。その中に秘められたものは、冷え切った悲しさとともに、貴方の胸を刺すことでしょう。
ホラーです。情緒のない言い方をしてしまえば痴情のもつれなんですが、それをそうと悟られない流麗な文体は読みやすく、さらさらと話は進んでいきます。むしろ、こちらの作者様の他作品に比べたらわりと淡々と、のような。だからこそ、明言されていない、見え隠れする彼女たちの高校時代の本当の関係や先輩の気持ちがじわじわと這い寄ってくるのが……。寝起きに読んだのですが、目が覚めました。
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