概要
どうしても生きたい理由があったセレーヌは十歳年上の死刑執行人フィネと結婚することで命拾いし、新たな環境に順応しつつも四年前に修道院から去った「ある女」を探し求める。だが、やがて辿りついた真実は残酷だった。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!「俺は君のためなら、世界中の人間だって殺してみせる」
たぐいまれな白金の髪と萌えいずる若葉の瞳をもつ美少女セレーヌは、13歳まで修道院で育てられた。実母と生き別れ、敬愛する前院長を亡くした彼女は、身に覚えのない罪で死刑を宣告されてしまう。彼女の前に現れたこの街の死刑執行人フィネは、少女に取引をもちかける。彼女の生命を救う代わりに――結婚して欲しいと。
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衝撃的な導入で始まる物語です。フィネという男、いったいどんな変態かと(失礼)思いつつ読み進めるのですが、意外に彼も、彼の母ミリーも極めて健康な倫理観の持ち主です。
中世において、社会で必要とされながら忌み嫌われてきた「死刑執行人」の家系。その一族に産まれ育ち、人間の醜…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ホーリープリンセスセレーヌはかけられた呪いを解くことができるか?
キャッチコピーにマザコン、とありますが、主人公セレーヌとその母親の関係は実に複雑です。読む人によってはセレーヌの抱く感情のあれこれに違和感があるかもしれませんが、そうと感じられるのはもしかしたらご自身のお母様との関係が「正常」だったおかげかもしれません。
古くから母と娘の関係は難しいと言われてきました。しかしセレーヌとその母の関係は関係と呼ぶことすら難しく、セレーヌにはいっそまったくなかった方が幸せだっただろうというほどの記憶しか残されていません。それが長らくセレーヌを苛み続けていました。まるで呪いをかけられたかのように。
13歳のセレーヌの世界は小さな箱庭のような修道院での暮らしで作られ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!じっくりと腰を据えて物語を読みたい人へ。(少女小説です)
見に覚えの無い咎で処刑される運命にあった修道女セレーヌ(13歳)は、10歳年上の処刑人であるフィネの妻になることを条件に生き永らえます。
フィネと彼の母親ミリーとの生活はセレーヌの心を解して行きますが、セレーヌが抱えた過去と、彼女の生きる目的が明らかになると共に、セレーヌは産まれながらの宿命を知り、宿命に翻弄されて行きます。
個性豊かなキャラクターをご紹介。まずは主役のセレーヌ。
美貌と実年齢より若く見える容姿を持つにもかかわらず、意外と激しい気性の持ち主。
セレーヌの夫で、処刑人の家系に産まれ、その職務を全うするフィネ。(イケメン枠の一人)
フィネの母親ミリー。優しさ溢れる肝っ…続きを読む