”ごく普通の青年”がほっこりほのぼのした新しい日常を得るまでのお話

ブラック企業のせいで心身が疲弊した大沢旬青年。つらい浮世を離れて亡き祖母の家に移住した彼は、移住先で本当に浮世を離れてしまったおじさん幽霊と同居を始めることになる。

これは旬青年がもがき苦しみながらも前に進もうとする物語です。
彼自身は自分がどれほど傷ついて苦しんでいるのか自覚が薄いようですが、見守ってくれている幽霊おじさんはありのままの彼に寄り添ってくれます。
親子のように、兄弟のように、穏やかな日常生活を送る二人。
でも、幽霊おじさんは失った記憶を取り戻したら成仏してしまうらしい……。
せっかく家族っぽくなれたのに? 読者はここに流れるゆったりした時間に癒されると同時に危なっかしい旬青年や消えちゃうかもしれない幽霊おじさんを心配してはらはらしたりもします。

幽霊おじさんはどこから来たのか、旬青年は今後の人生とどう向き合うのか、物語にするすると流されながら楽しませていただきました。

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