概要
あなたに出会えてよかった。あなたに出会うべきではなかった。
御年十歳になるユーゴー帝国の第三皇子ハーレイは、皇家の家風と教育方針に馴染めず悩んでいた。
ある晩、帝城からの脱出を目論んだハーレイは、立入禁止の裏庭へと迷い込む。
美しい花々に囲まれたその場所には、ひとりの貴人が隠れ住んでいた。
その人の名はアテュイス。隣国ニアーダ王国の先王で、ユーゴーとの戦争に敗れた後二十年以上の長きにわたって軟禁されていたのだ。
妖美で知的なアテュイスに魅了されたハーレイは、彼と交流するうちにユーゴー帝国の政治に疑問を持ち始め、やがて帝位を望むようになるのだが……。
第一長編「暁天の双星」から二十年後の世界を描く大河ファンタジー。
関連作品:
「暁天の双星」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887670705
「外伝集
ある晩、帝城からの脱出を目論んだハーレイは、立入禁止の裏庭へと迷い込む。
美しい花々に囲まれたその場所には、ひとりの貴人が隠れ住んでいた。
その人の名はアテュイス。隣国ニアーダ王国の先王で、ユーゴーとの戦争に敗れた後二十年以上の長きにわたって軟禁されていたのだ。
妖美で知的なアテュイスに魅了されたハーレイは、彼と交流するうちにユーゴー帝国の政治に疑問を持ち始め、やがて帝位を望むようになるのだが……。
第一長編「暁天の双星」から二十年後の世界を描く大河ファンタジー。
関連作品:
「暁天の双星」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887670705
「外伝集
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この世のすべては諸行無常、盛者必衰のことわりを表す
ひとこと紹介に書いた諸行無常はおそらく仏教の言葉で、ユーゴー帝国はどちらかといえば洋風に近い文化を持っていると思われる一神教の国なので、ここで使うのはそぐわないかもしれませんが。歴史というものはいつの時代もどの地域も長くて数百年、あのビザンツ帝国でさえ千年ほどで滅んでいるのですから、私はそういうものなのだと思っています。
作中の舞台であるユーゴー帝国は作品の冒頭で200年ぐらいの歴史を持っていたようですが、その歴史は血塗られたもので、周辺各国の犠牲をともなう苦い統治だったみたいです。
そんな中生まれた第三皇子ハーレイは、最初はちょっとへたれたところのある可愛らしく子供らしい子供だったのですが…続きを読む - ★★★ Excellent!!!『あなたが、自由に生きられるように』その願いのさきにある未来
本作の前作『暁天の双星』(※)を拝読したとき、私は「歴史はだれのものか?」という問いを立てた。
(※)https://kakuyomu.jp/works/1177354054887670705
そして、大国の属国となり、これから苦難の道を歩むことになるニアーダ国民のために、その実像を失い、虚像となって歴史に名を刻んだ人々に思いを馳せた。
そう、『歴史』はその一面として『いまを生きる人々』のためにある、というのが、私が『暁天の双星』を拝読したときに受け止めた、作品からのメッセージだった。
いま、本作を拝読し、私はもう一度「歴史はだれのものか?」という問いを立ててみたくなった。
歴史…続きを読む