沼地のドロテア

つまりヤンデレ……ってコト?!

生い立ちを考えたら仕方ないかも知れないが鈍感すぎるよドロテア！とか、あと一押しせんかいウルバーノ！とか恋愛ものだと思いながら読んでいたら、そのどころじゃない展開にどんどん引き込まれました。
ドロテアが酷い目に合い過ぎてこっちまで辛かったが、最後まで読んで良かった。
どんな状況でも考える事を辞めない彼女は格好良かった。誰かとくっついてハッピー！みたいな所に彼女のゴールはないところが面白くて、今後の彼女たちの行く末を想像するのが楽しい。

続きが読みたい…！！けど、キレイに最終回を迎えているようにも思える。

分かっちゃいるんだ…エンリケの方が人気＆支持されていると。
ですが私は何が何でもぐるぐるウルフのウルバーノさん推しじゃあああ！
この独特な物語の世界観にまず魅了され、主人公の苦境に心を痛め、無理もないとはいえ余りのうじうじっつぷりに時にイラッとし…そんなドロテアの迷いや暗雲を吹き飛ばすかのような鮮烈なヒーローの登場！
ここまで読んだからにはあとはもうラストまで一気に突っ走るのみ。

主人公の卑屈さと男たちの美形ぶりが少し気になります。
しかし、それを補ってあまりあるキャラクター力と最後の盛り上がり！感情が揺さぶられるわ、揺さぶられるわ。序・中盤のときめきが一気に塗り替えられたようです。
強烈な終盤に拍手！

王道ラブコメだと思って読み進めてたら最後にガツンとやられました！最高！

世の女性たちが、男性向けハーレム作品を見てどんな気分になるのか。
この作品なら、しっかりした物語を楽しみつつ、そんな事も学ぶ事ができるかもしれません。

初めてあらすじを読んだ時は、なんか暗そうな話だと思ったのですが、
異世界転生やハーレムといった人気ジャンルでは無いにもかかわらず、評価が高かったので読んでみました。
そして読み出したらこれが面白い！
続きが気になって眠れなくなり結局徹夜して一気に読んでしまいました。
ストーリーが見事に練られていて、最終話付近では泣いてしまいました。
キャラクターも魅力的で、世界観の構築や描写の仕方、心理描写も見事。良い小説に出会えて良かったと思える作品です。

適当なところで切って外出しよう。と読み出したのに、気が付くと読破していまい……
登場人物の人柄、立場、世界設定が織り重なって流れるようなストーリーがとても印象的な、心を鷲掴んで離さない小説でした。
未だどきどきが収まらないのはきっと、幕引きがお見事だったからでしょう。素敵な時間をありがとうございました。