これは凄い。最初は、池波正太郎風のファンタジーとしてよくできてるなと思ったのですが、話が進むにつれ王道のエピック・ファンタジーになっていきます。怪物・戦争・世界の危機・神々・世界の謎の全てが出てきます。そして登場するキャラクターは端役に至るまで「生きて」います。(ほんの僅か登場する竜人の娘ですら!)更にグルメ(食事)。 派手な展開になっても食が忘れ去られることはありません。実は物語の根幹であったことが明かされるのですが、それは各読者自身で確かめてください。
こんなに濃密で、美しく、人としての道を描いた作品は他にない。過去の名作と呼ばれるファンタジー作品に匹敵するスケール感。数多くのキャラクターが出てくるにも関わらず、それぞれが鮮明に思い浮かべられる。読ませる文章力があり、スリリングで一貫性のあるストーリーテリング。言う事なし。もっともっと有名になっていい作品だと思う。次回作に期待しています。
作者さんに感謝を擬音が一切無いのに文章読むと頭に風景が浮かびますこれはラノベではない
思い出した様に何度も読んでしまう。長さも展開も丁度いい。
口触りの良い美味しい作品は世に溢れていて、食べれば食べただけ満たされるけれど、不思議なことに読後の充足感は確かに一時のものであって、だからこそ絶えず他の作品を読み、その美味しさを味わうのに必死になってしまっている気がする。それがこの作品はどうだろう。読んでいて、こうまでも美味しさそのものを消化するのに疲労し、けれど満たされる作品はけして多くないと私は思う。まさしく御馳走。疲れた。それこそ美味しさを堪能するためだけにこうまでも疲れたのは久しぶりで、だからこそ、この作品に出会えた僥倖に感謝します。美味しかったです、ごちそうさまでした。
最近、既に完結されてから知り、読み始めました。読んで、時に笑い、ドキドキし、ワクワクし、ほろっと涙がこぼれ、夢中で読み進みました。登場人物たちが皆、魅力的で造形豊かで、頭の中にそれぞれの姿が浮かび、動きます。最後まで読み、読んでよかったーという終わりでしたが、同時に読み終わってしまったのが寂しくもあります。寂しく思うほど、登場人物たちが好きになっていました。
小さい頃、冒険活劇や騎士物語、勧善懲悪のお話に夢中になったときのように、夢中で読める。途中SF要素がはいるのもまた良し。こんな物語が無料で読めるとは良い時代になったものです。楽しませて頂きました。
浮ついたところの無い確かな筆致と作者の豊富な経験を想起させる描写の数々。まさに行間に情景が詰められている、本格派の物語がここにある。
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