なろう系作品として、貴族生活や学園生活、飯テロ要素に女性主人公ならではの美容やファッション要素をちりばめた作品。
魔法や頼れる家臣や仲間に丸投げでサクサク読める一方、細かい描写も多く読み易い。
ここ最近読んだ中でもおすすめ度が高いけれど大きな壁がある作品でもある。
壁だと感じるのはヘイト管理です。
ざまぁ。系に代表される悪役に無茶をさせ読者から悪意という共感を集め一定の段階で処罰などすることでスッキリさせる技術。
今作の場合、主人公が同世代ふつうの令嬢に比べても体力がない設定なのに公私混同で無茶ぶりされても王命ということで拒否も出来ない状況に。なんてことが。
一応、微妙な対価があったり作中のキャラがガス抜き程度に同調や正論を語って正そうとするけど結局ごり押しされ無茶を押し付けられる。
ほぼこの繰り返しでストーリーが進んでる。
お約束ならここで悪役退場でスッキリとなるのだがそもそも周囲が無茶ぶりを悪意のない子供のわがままとみているためその気配もない。
そしてストーリーの展開としてもおそらくいなくなることもなさそう。
なら、主人公が成長する過程でうまくかわしたりする機会が増えればいいけれど何年たってもいいように使われてるお話が続くことになる。
この消えない もやっと感が壁となる。
そして人気がある作品の運命でもあるのだが、長編で行動距離が広がる過程でほぼ何でもありの生活魔法や錬金辺りは面白くする設定としても、馬車移動なのを考えると一日で移動可能な範囲が広いので妙に小さく感じる王国。
体力弱めで中学生くらいの主人公に、はじめは王女のお守そのうち国防の最前線として竜退治まで投げてくる王国のやばさ。
闇がどんどん深くなる。
妙にリアルで理不尽さにあふれた作品。
ストーリーやキャラの動きなどとても期待値が高い作品なのでキーとなるキャラの個性など作品の根幹部分となってる面も多いが書籍化やコミック化でこの壁を魅力的に描いていきもっと多くの人に読んでほしい。
本作はざっくり言うと清貧に過ぎる貴族令嬢に憑依?した主人公が、己の知識やチート能力を活かして生活を改善したり、学園に通いながら様々な分野で大活躍していく話です。
しかしその部分に至るまでの主人公の人付き合いにおいて、押しの強い目上の人間の話を断りきれず、便利な人材として都合よく利用される展開が頻出します。ひとつの話が短めですぐ場面が切り替わるためモヤモヤ感は長く続きませんが、序盤で同じ流れが何度も出てくるので、人によってはいいように使われてばかりな主人公に不満が溜まってしまい、話が面白くなる所まで読み続けるのが難しいかもしれません。
そうした展開が続くと、読み手としてはつい(もういっそのこと全部はっきり断っちゃえばいいのに!)と思ってしまいがちです。しかしなかなかNoと言えない主人公がいる一方で、これも序盤の不快感の主な原因と思われる『理想論や正論ばかり主張して、損得勘定からの忖度が全くできない人物』もいて、その後先を考えない人付き合いのあまりの拙さにも、大いに問題があることがわかります。
自分を利用する時ばかりすり寄ってくる相手に不信感が募ったり、頼まれ事をはっきり断りたくても、角が立ってその後に影響するので不本意ながら承諾したり。現実でもよくある人間関係のしがらみからくるわずらわしさについて、色々と考えさせられる内容です。
中盤の学園編が進むと、理解のある教師や興味関心のあることに熱心な癖の強い学生達が出てきて、主人公の世界が一気に広がります。優秀な頭脳で様々な分野の知識を学び、またそれらを存分に活かして周囲にとって利益になる行動を無意識にとります。このあたりまで読めれば、主人公が頻繁にやらかして目立つよくある知識・能力チートものとしてかなり楽しめると思います。
ちなみに自分は現在なんとか200話以上読みましたが、主人公の直接的な恋愛描写には更に先まで進まないと到達しないようです。
現時点で個人的な評価は星1・5位なのですが、台詞中に気になる表記が何度もあり星1にしました。
高位貴族や使用人など言葉づかいに特に気を付ける必要がある人物達が、会話中に断定口調ではなく「○○とか」という、現代の若者のようなぼかした口語表現を使うことに違和感が強いです。指示を出す側と出される側という立場の違いはありますが、両者ともあまり曖昧な物言いをすると指示系統に混乱をきたすと思われる人種だからかもしれません。
他作品ではまず目にしないですし、作中で複数人が口にしているのを見ると作者の癖なのでしょうか。書籍化されているならおそらく既に指摘されているかとは思いますが、「とか」表記は最新話の方では改善されていることを願います。