岩魚ヶ姫

横浜から母の実家のある南会津に転居したものの、どこか町に馴染めず、再び外に出ようと考えている高校三年生の佐藤恵。
対して、生まれも育ちもこの町で酒蔵の息子でもあり、そんな彼女を心配する同級生の木嶋悠亮。

2023年、新型コロナウイルス感染症が法律上の五類移行に伴い、日常を取り戻した福島県南会津郡田ノ原町では、
八百年に及ぶ伝統の夏祭り「祇園祭」が四年ぶりに通常開催されることとなった。

それに先立つ六月、二人は神社に封印された一枚の白無垢を見てから、異変に見舞われる――。


※本作はフィクションですが、作中に東日本大震災およびコロナウイルス感染拡大に関する描写が含まれます。
予めご了承ください。