手袋はいらない【街コン作品】

作者 冬野瞠

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★★★ Excellent!!!

街コン作品は、やっぱりコンセプト自体がすごくずるいと思う。
憧れがある土地や好きな街、愛着のある地方について書かれたら、
こんなに短文なのに、本当に深く感じ入ってしまう。

会津の冬を、九州育ちの私は知らない。
雪の深さや重みや手触り、澄んだ空気の冷たさ、
風のない中で見上げる夜空を知らない。

ここに描かれる情景を体験したことがないからこそ、
同じように唐突に体験してしまった主人公の戸惑いに共感して、
長嶺さんの口から語られる会津の四季に憧れを募らせる。

新撰組を追い掛けているうちに会津にたどり着いた。
会津は、今いちばん行きたい場所だ。近々行くけど。
たぶん郷土史の本を買い込んで、帰りは大荷物になる。

どんな景色が待っていてくれるだろう?
会津旅行を楽しみにしているタイミングで読めてよかった。

★★★ Excellent!!!

毎年冬になると必ず雪が付き纏う福島の中でも、特に内陸部の会津地方はたくさんの雪が降り積もる場所だ、と聞いた事があります。
降り積もった白い塊を除いても除いても、春になるまで溶けきらない……そんな雪国の洗礼をもろに受けてしまった主人公が出会ったのは……。

新たな出会い、頼もしくも可愛い相方、そして銀色の大地の上に広がる夜空……大変な寒い日々の中で見つけた様々なものが優しく彩る、暖かな短編作品です。

★★★ Excellent!!!

これから冬に向かおうとするこの時期にこの作品を読んで、あぁまた冬が来るんだな、と感じました。
白と黒の世界という言葉ひとつで、雪国の情緒と厳しさを感じ取ることが出来ましたし、他にも色や景色の表現がとても透明感があり穏やかで、読んでいて心が落ち着きました。

全ての季節に言及されていましたが、春や夏、秋の暮らしにも興味がわきます。