命が尽きる前に、あなたを見つけさせてください。
『アンドロイド人形は点滴スタンドの夢を見るか』
ペンネーム『霜二月(シュアン‧アーユエ)』の人気作家である冀楓晩(キ‧フォンワン)はスランプに陥り、自分を奮い立たせようとしてもさらに疲れるだけだった。この時、美しい姿をしたアンドロイドとバースデーケーキが家の前に置かれていた……。
「おおっ……これはっ!間違いない……この感じは、霜二月さまの体、体温が……肌を通じて体に伝わってくるみたい!今死んでも後悔なんてしない!」
「人の家で勝手に死なないでくれ。そして『みたい』じゃなくて、肌を通じて伝わっていくのだ」
冀楓晩と小未(シャオウェイ)と名付けられたアンドロイドによる『一人と一機』の同居生活は、いつしか人間とアンドロイドの間に愛情が芽生え、お互いをかけがえのないパートナーだと認識するようになるが、楓晩がスランプを抜け出しそうなとき、残酷な現実が突如襲いかかる……。
「この世には避けることができないものが存在する。悲しみはいつか必ずやってくる。でも、君が電子の海を越えて全力で手を握ってくれたから、僕も勇気が湧いてきたんだ」
無気力な作家X元気いっぱいのアンドロイド(?)が繰り広げる甘酸っぱい科学&ファンタジー、R15要素はストーリー後半で登場。