第三章 アンドロイド人形の欲望

3-0 通信履歴_最愛な人37.m4a

「こんにちは──今日はいつもより早いですね!原稿を仕上げますので、ちょっと待ってくださいね」

「……」

「できた!お待たせしました。締め切りは残酷で魅力的なものですね。それは時間に追われるということですが、なければ仕事がないという意味ですね……話が飛んだので、先週はどこまで言ったのか考えさせてください」

「……」

「思い出しました。大人のおもちゃ屋のおじさん販売員は訴訟を起こすと脅した消費者への文句ですよね。この消費者は、オンラインで購入したコンドームの表示が間違っていると主張していますが、どこが間違っていたのかを言わず、ひたすら会社に謝罪文を求め続けた話ですね」

「……」

「喉を潤したら始めましょうか、エッヘン……『もしもし?またお前か?本当に暇だね……まあいいか、ちょうどいい、愚痴を吐かせてください。電話をかけてきたのはお前だから切らないで、切ったらブロックするから!』」

「……」

「『切らなかった?お前はまだ良心があるということだ……先週、うちのコンドームのラベルが間違っていると言った男のことを覚えてる?彼は今日も電話をかけてきて、蜜蜂を踏んだ犬のようにイライラして会社に謝罪文を求めた。だけど、今回ようやく彼が主張している間違いに気がついた。あまりにもアホすぎて絶句したわ!電話じゃなければ間違えなく殴り倒しているだろう』」

「……」

「『彼はこう言った。『おたくのコンドームは三十センチと表示されていますが、僕がそれを装着した後に、三分の二以上が空いていました。このコンドームは明らかに三十センチ以上です!』

 このクソ話聞いてみて!三分の二以上が空いている理由はただ一つ、それは彼のモノは十センチ以下であることだろう、十センチ以下の場合は、三十センチのコンドームを購入するなよ!コンドームを一杯にするのは過剰な自信ではなく、チンポだけだ!』」

「……」

「『でたらめな話なのに、その男が次に何を言ったか知ってる?彼は、会社が謝罪文を出さなければ、侮辱罪で僕たちを訴えるつもりだと言った!』」

「……」

「『法律上で侮辱罪の成立要件は何があるか知ってる?僕はそれを調べたから知ってる、とても簡単だ。一つ目は相手を侮辱することであり、二つ目は公然と人を侮辱すること──侮辱した場所は不特定の人が出入りしているところなのだ。

 だから、あいつが言っているのは、彼のチンポが三十センチ未満であることを証明したうちのコンドームは彼を侮辱している、しかも不特定の人が出入りしている場所で侮辱したということだ。これはどういう意味なのか知ってる?』」

「……」

「『つまり、あいつが嘘をついてなく、しかも侮辱罪の成立要件を理解していれば、彼は路上でズボンを脱いてコンドームをつけたということ。侮辱罪?お前を公然わいせつ罪で訴えてやろうか!なんだ……』」

「コン、コン」

「『なんだそ……さっきはそちら側の音ですか?』」

「コン」

「これはイエスのことですか?」

「コン」

「ではイエスですね。それでは四ヶ月越しの初めての音に対して、短気なおじさん販売員はどう対応するでしょうか……」

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