第47話 急襲作戦①
「はぁ……。何で俺が魔族と戦わなきゃいけないんだよ。絶対勝てないって。」
「そうね。あなたは力不足だろうけど、このパーティーのメンバーはかなりの実力者だわ。安心しなさい。」
いやそこは、ユウキ君は強いから大丈夫だよ!って言って欲しかったなぁ。別にいいけど。(どっちやねん)
「そうだぞ。お前らを選んだのは、2人ともが今でもBランク以上の実力があると踏んだからだ。それに実戦経験を積んで、さらに成長して欲しいと思ってな。」
俺達は馬車に揺られながら魔物の群れを目指している。森に入るまでは、こっちの方が早いらしい。
「そうですよ!うちの団長がそう言ってるんですから、自信を持ってください!」
励ましの言葉、ありがとうございます、優しそうな女の人。名前知らないけど。
「よし。ここから馬車を降りて魔物の群れに直行しよう。魔物の何体かに探知魔法を付与したから、場所は分かる。着いてきて!」
なんとかパーティーの人が案内してくれるらしい。それなら、鑑定も出来るような気がする。まあいっか。後で試そう。
「よし!ここからは2部隊に別れて行動する!俺達は魔族に向かって超高速で奇襲を実行する。遅れるなよ!」
総勢30何人の冒険者が森へ一斉に侵入して行った。俺達の部隊は森の奥の方へ走っていく。
「はぁ、はぁ、お前ら走るの早くね?」
真っ先に疲れたのは俺だった。情けない。
ちなみに今どういう状況かというと、前にパーティーの4人が先行して走っていて、その後ろに俺とクレアが着いてきている状況だ。
けど、疲れた!それにスピードが単純に劣ってる!
「はぁ?あんた本当に体力無いわね。私は【身体強化】も得意なのよ。」
身体強化……?そんなものがあるんか。鑑定、それ俺にも使える?
『久々ですね。使えますよ。全身に魔力を巡らせるようにしてみて下さい。時間が無いので、走りながら魔力循環をアシストします。』
心臓から湧き出て、血液を通して全身を巡る、液体の様な魔力の流れをさらに加速してみた。
「おお、ちょっと分かった気がする!」
『スキル【身体強化Lv1】を取得。次に、脚に魔力を巡らせてください。』
言われるがままに、脚に感覚を集中させると、大きな変化で、脚力がかなり上がり、スピードが若干速くなった。
『スキル【脚力強化Lv1】を取得。後はスキルの発動を維持しながら、ひたすら練習を継続するだけです。魔力循環の調整は引き続き行います。』
思ったんだけど、鑑定って優秀か!?
「いや、俺が馬鹿で無能なだけだわ。」
「なに独り言言ってるの。実際その通りだけど。」
クレアに諭された。確かにそう。俺はマジでこのスキルをうまく使えてない。考える必要がありそうだ。
そしてある程度走った。多分、2キロぐらいあったと思う。
「止まれ!もうすぐ進行中の魔物の群れだ!」
俺でも分かった。おぞましい大量の瘴気が、森林の奥から漂ってきている。
────────────────────★500ありがとうございます。
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