第8話 クラス会議in異世界③

「じゃあ悠希、鑑定お願いできるかな。」


俺は流れに負けて渋々「あ......分かった」と口にして、スキルを使おうとしてみる。


ええっと、どうやるんだっけ?少し頭で考えていると、具体的な感覚が蘇ってくる。


「スキル......鑑定!」


暫くの後、脳に機械的な電子音のような声が流れてくる。


「鑑定結果……名前 如月優奈 種族 人 年齢 12〜18? スキル 不明 その他の情報 現段階では解析不能」


「どう...出来た?」


「えっと何か、名前とかしか鑑定出来ないんだけど...」


催促に応じると、すぐさま、


「はあ?まじで言ってる?陰キャって超無能じゃんー笑。」


と罵ってきた。それに連動するようにして陽キャの女子軍団が嘲笑あざわらってきた。


いや、でも前回よりも鑑定出来ている情報が増えている気がする。ほらだって、年齢が......何だこれ?12〜18って、見ただけでも分かるわ!意味無いじゃん。


女子の陽キャ軍団だけなら良かったのだが、あまつさえ如月の彼氏の人が便乗して、


「それに比べて優奈のスキルの【無限魔力ここに英語名】って、超強そうだし!まじで陰キャ君は異世界でも使えねーな。」


「えー、光希だってマジヤバそうじゃん!流石は私の彼氏って感じー、。(?)」


とか言ってきた。


うっわぁ、異世界に来てもイチャイチャするのかお前ら。周囲も若干ひいてるぞ。少しはわきまえてくれないかなぁ。ほんと。


「まあまあ、スキルは使っていく内に強くなるって言っていたし、仲良く行こうよ。折角クラスで異世界に転生したんだしさ。」


陽キャが何とか仲介して、クラスの皆は同意の姿勢をする。


凄いぞ。陽キャはコミュ力化け物だからな。その矛先が俺に向けられなければそれでいいんだ。そう、それでい......


「てかさ、無能な陰キャはこのクラスに必要なくね?異世界に来てまでもこいつと一緒に居るの、まじ最悪なんだけどー。」


おいい!このくだり何回目だよ!最悪なのは俺だし、別の陽キャの矛先向けられてるんだけど。だ、誰か助けて......


更に追い討ちをかけるように、イキリ系陽キャの阿部田が、


「それ確かに。こいつうざいしなー笑。」


と言葉の弾丸を撃射してきた。やめてー


「まあまあ、現実世界とこの異世界は別だから。過去のことは、水に流そうよ。」


「使えない奴が混じると足引っ張るかもしれないんだぞ?」


「どれだけ強いかどうかなんて、今の段階では分からないでしょ?」


阿部田が、「まあ確かにな」と言って、言葉の射撃を停止する。ふう、これで助かった。


「じゃあ、今日はもう解散でいいよね?」


場の状況を整理するように言うと......

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