第7話 クラス会議in異世界②

スキルを共有してみるのはどうかな?」


スキル、という言葉を聞いてオレはどきっとした。鑑定スキルがくそ雑魚だったらどうしようと、急に不安になってしまった。


「スキルを共有って、どうやって?さっき表示されてたけど、あれをもう一度は無理なんじゃない?」


「あー確かに。だったらさ、紙とかに書いてまとめようぜ。」


クラスのみんなも、なるほどと次々に諾う。


「じゃあ、この紙に名簿番号順に書いていこう。」


そう言って、置いてあったメモを1番に渡した。そんな感じで、俺も名前の後にスキルを書いて次の人に渡した。ってか、みんな漢字かけてる。凄い。これは多分、頭になんか入ってるのかな...?(思考停止)


次の人に紙を渡すと、ぷっと笑われた。え?何?鑑定がいけないんですか?


最後の人が書き終わり、全員のスキルを纏めた一枚の紙が出来上がった。(※)


じっと見てみると、これは凄い。


なにかと言うと、ほとんどが漢字4文字で尚且つカタカナで読むといった、いかにもチートスキルなのだが、実に俺だけ鑑定。


異色を放っているというレベルじゃない。元々の世界でも虐められているということも相まって、周囲から悪口がめっちゃ聞こえてくる。


最悪だよ。本当は強いかも知れないのに。


「これでスキルの確認は大丈夫だね。現状では、どんなスキルかは分からないけど、それは明日以降の訓練で解明していこう。そして、情報はなるべく共有し合おうよ。」


「おk」「了解」「分かった」などと、俺含め全員が賛成した。ふう。これで何事もなく異世界になじめ......


「てかさ、陰キャ君のスキルってなに?鑑定?弱そうだし超ダサいんだけど?」


おいいい!それ今言うか!今日は解散して一人一室与えられた部屋でのんびり休む。それでいいだろ!


「分かるー笑。正に陰キャって感じだよね!ー」


女子の陽キャ軍団が俺を揶揄からかって来た。他の生徒は席を立ったまま、こちらの様子を伺うように見ている。


またもや空気が喫緊する。異世界でもハブろうとするの、やめてくれないかな?


「てかさっき、俺が陰キャに鑑定してって頼んだんだけど、出来ないって言われたんだけど?」


男子陣から声が聞こえてきた。うわぁ、余計なこと言わないで......(切実)


「光希まじそうなの〜?なら陰キャ、私を【鑑定】してみてよ。出来るでしょ?」


う、うわぁ。最悪だ。これでもし鑑定出来なかったら、陰キャだし使えない奴ってなって更に虐められるかも。ここは何とか、穏便にすませ......


「そうだね!クラスのみんなのスキルを確かめる為に、鑑定をしてみるのもいいんじゃない?」


おいいいい!新田、それ言わんでいいわ!善意で言ったんだろうけど、使えないって、そういう意味じゃないから!


しかし俺の悶絶とは裏腹に、「あっ確かにー」「それいいね!」などと一瞬の内に空気が緩んでいった。

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※にスキル一覧を入れようかと思いましたが、発想が浮かばないので断念しました。

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