第6話 クラス会議in異世界①

パタンという音が聞こえ、足音が聞こえなくなると、一気に空気が弛緩して話を始めた。


「はぁ、何か凄い事になったよね!」


「え?早く帰りたいんだけど?魔王を倒すとかってまじな訳?」


そんな感じで、客間はすぐさま喧騒に包まれた。俺は特に口を開かず、周りの様子を伺っていた。


まず男子。陽キャ軍団は楽しそう!っと気取っていて、オタク達は超興奮している。うわ、共感だわ。俺転生系好きだし。


一般的な男子生徒は、普通に事態を飲み込んでいて割と冷静である。流石男子、こういう状態ではやる気が出るよね!


一方女子は、一軍はえーやだ!とか、つまらなかそうに流している。


それ以外のおとなしそうな人達は、困惑していたり、不安げに話をしていた。


先生は、皆さん落ち着いてと言って居るが、皆殆ど聞いていない。現実世界のクラスでも若干舐められがちだったのが、異世界に来てさらに統率が取れなくなっている。


そして俺は相変わらずのぼっちである。はぁ、早く城内探索したいわ。そして早くこの【鑑定】とやらのスキルの能力を確かめたいのだが、抜け出せる雰囲気じゃない。


「皆聞いて!とりあえず、今の状況を整理してみない?理解が追いついて居ない人や、心配な人も居るだろうし。」


イケメンNO1の新田が発すると、視線が一気に集まる。そして、再び室内が静かになった。


「流れを簡単に纏めると、この異世界に召喚された僕達がスキルを与えられて、訓練をして魔王を倒せって事だよね。ここまでは、皆理解してる?」


生徒、そして先生もがうんうんと頷いている。俺もとりあえず頷いておく。


こういう時は、誰かに従うのが1番良いんだ。いじめられっ子の処世術!触らぬ神に祟りなしとかなんとか?


「それは分かるんだよ。問題は、俺たちがどうやって魔王と戦って、元の世界に帰るかって話じゃないのか?」


「そうだね。説明の限りでは、魔王を倒せば現実世界に帰れると言っていたけど、その保証は無い。それに、僕たちが無事に魔王を倒せるかどうかも分からない。」


うんうん、と女子が不安げに首肯する。


「だから、クラス1-Aの方針を決めておかない?異世界だったら、何が起こるか不安な人が多いだろうから、元の世界で面識のある僕らでルールを共有しようよ。」


「ルール?それどういうこと?」


「まず僕らの最終目標は、現実世界に帰ること。これは皆いい?」


「まあ、そりゃそうだろ。」


「その為に確実では無いにしろ、魔王を倒さなくちゃいけない。そこで不安に思う人も居るだろうから、その不安を解決するために協力出来ないかな?という訳。」


「どういうことだ?具体的に教えてくれ。」


「例えばだけど......

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追記 ★を貰えると投稿頻度が上がります。(多分)是非よろしくお願いします。

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