第14話 決意!!!

異世界に転生してから3日が経った。


その間俺はずっと魔法の練習ばかりやっていて、クラスのみんなと関わるのを避けていた。


「ふう、今日の練習はこれで終わりにしよう。鑑定!」



『鑑定結果……山崎悠希 基礎情報

種族…人 年齢…15 性別…男 状態…魔力低下 健康 その他の情報…解析不能

ステータス Lv?

身体能力値      才能値

HP…最大/?(?)     ?(?)

ATK…?(?)     ?(?)

DFE…?(?)     ?(?)

SPD…?(?)     ?(?)

MP…低下/?(?)     高い?(?)

スキル

〔固有スキル〕【鑑定Lv7/?】

〔魔法スキル〕火炎魔法 【火炎Lv4】【発火Lv2】 【火炎球Lv1】 【加熱Lv1】

【魔力循環Lv3】

〔戦闘スキル〕【剣術Lv2】 【剣撃Lv1】

その他のスキル又はステータス 解析不能』



今日はもうこれで寝るか。火炎魔法も結構熟練して来たし、明日は違う魔法でも試して……


「ここに居られましたか、ユウキ殿。」


「あ、ゼレスさん!お疲れ様です。どうしましたか?」


個別で魔法や剣術を教えてもらっている、騎士団長がひっそりした小屋の扉を開けて言った。


「連絡事項があって来た。明日、王城を出発し近隣の森で魔物討伐を行う。時刻は朝の8時に訓練場の兵舎に集合。詳細は姫様から聞いてくれ。」


「魔物討伐ですか?何だって、そんないきなり?」


「動揺する気持ちも分かる。詳しく説明しよう。」



貴方あなたたち勇者も、訓練を積んだお陰である程度実力を付けて来た。よって、魔物を倒すという実践訓練を行うのだ。また、魔物を倒すとが高まるから、魔王討伐に向けた第1歩といったところだな。」


なるほど。魔物を倒すと【Lv】が上がるというわけか。


「それって、召喚された人全員で行くんですか?」


「ああ。数人でパーティを組んで行動してもらう。」


うわまじか。異世界に来たのにパーティ組むって。体育の時のトラウマが蘇る。


「そうですか……。分かりました。」


するとゼレスさんは自分の気持ちを汲んだように、


「何か、心憂いがある様ですな。他人を避けたがるのも、前世の因果が関係しておられるのですか。」


「はい。実は俺、元の世界で俺だけ仲間外れみたいにされてたんです。だから、他人と関わるのが億劫で。自分だけ、他のことをしちゃいけませんか?」


「それは難しい。ユウキ殿は卓越した魔法の才能をお持ちだ。それを活かせないのは、あなたの為にもなりませぬぞ。」


そうですか、と俺は頷く。



「あと俺、前から思っていたんですけど、俺だけ王城を出て、1人で生きちゃいけませんかね?だって俺のスキル【鑑定】で、使えないと思うし、連携行動なんて、できっこないですよ。」



「それは困りますぞ。勇者として魔王を倒して貰わなければ、我々に未来は御座いませぬ。既に魔王軍の活動が本格化し、無垢なる魔物の行動も活性化しておられるのです。」


その事は本で読んだ。どうやら人類は結構追い詰められているらしい。



この世界には「魔物」と「魔族」が存在する。魔物は人やエルフ等の種族に敵対するが、知性を持たず、人のいない場所で生存している。


しかし最近、無垢な魔物を指揮する魔族が現れた。


知性の高い魔族は、魔物に人の集落を襲わせたり、ダンジョンを築かせたりしているらしい。


それだけでなく、魔族は魔物を強化したり、魔法や知恵を身につけさせたりしているのだ。


そして、魔族の頂点が魔王という訳だ。


「それは分かっているんです。けれど俺には王城の暮らしは性に合いません。身勝手ですが、自分の力で強くなって、自分だけで魔王を倒したいんです。」


「気持ちも分かるが、勇者が団結力せねば魔王討伐は容易でない。それに貴方が戦うことを拒めば、更に我々が窮迫することになる。」



確かにそれはそうだ。勇者である俺らが戦わなくちゃ行けないんだろうけど……。



「ゼレスさん、俺にはその役、務まりませんよ。クラスのみんなと比べて、能力が劣っていますから。



その精々程度の力を魔王討伐に役立てようとしたって、本当に微力です。その努力さえも、他の勇者達に貶されてしまうのなら……。」



彼はただ立ち尽くして、自分の瞳を見つめている。



「俺は王城を出て、自分1人で生きたいと思っています。そして、自分の力で強くなって、魔王を倒したいと思います。



俺を虐めていた奴らと協力するよりかは、魔王討伐に貢献できるはずですから!」



しばらくの沈黙が流れた。



「そこまでの決意があったとは。私にはそれを咎めてはならぬと思う。それに、この世界に自分達の都合で召喚したのは我らであるから、魔王を倒せと強要するのも非常に不合理なことだな。」



「しかし約束して欲しい。王城を出て1人で生きるというのなら、強くなり、必ず私に顔を合わせに戻って来い。」



「ありがとうございます!」



「あとこの事は、くれぐれも私以外に相談しないで欲しい。だが明日出立は厳しいな。目をくらませる為の準備が必要だ。」



「それなら、明日の魔物退治の遠征の内に姿を消そうと考えています。城下は衛兵の監視が厳しいだろうから、近くの街まで行こうと思いますが。」



「それが良い。ヤディアの森から数キロ離れたシェルの街に行き、拠点とするのが得策だろう。路銀は、今のうちに渡しておく。」


ジャラジャラと音のする袋を取り出したが、俺はそれを断った。


「自分の力で生きていくと決めたそばから他人に頼る事は出来ません。これは、昔の不甲斐ない自分との決別なんです。」

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迷走してヒステリックな感じになってしまいましたが、プロットを30話位まで考えました。あと、★をつけて頂けると嬉しすぎて号泣します。


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