第28話 強敵の予感……
「8km先か……歩いて行ってもいいけど、何か移動手段が無いものか……」
『つべこべ言わずに街へ向かった方が速いと思われます。』
「ああ!そうだな!とりま進んでみよう!」
俺は地面をはって進むスライムと、街へ向かうことになった。ここまで来るのに時間かかりすぎやろ!※
森林をある程度歩いた。……疲れた。
ずっと景色が変わらないのだ。何でだろう。
「ねぇ鑑定、この辺に素早さを上げる薬草とか生えて無い……?」
『鑑定結果……有りません。しかし、少数ですがこの辺りには魔力草が生えていますよ。』
「魔力草……なんじゃそりゃ?」
『簡潔に説明すると、魔力を回復させる薬草です。調合すれば、マナポーションを製造可能です。かなり珍しく高価な物ですよ。』
「ほお。外見は変わらないのか。じゃあ、それ少し取って行こうぜ!」
『また寄り道ですか……。』
「ふう……疲れた。ちょっと休憩しない?スライム!」
ぴょこんと飛び跳ねた。可愛い。
「じゃあこれ集めた分。ポーションにはせずに、しまっておいて!」
スライムが薬草の束を取り込んだ。
『まだ876メートルしか進んでいませんよ。この調子だと日が暮れてしまいます。』
鑑定に言われてふと空を見上げてみると、太陽か見えず、紺色の空だった。
「ちょっとヤバいな……。中学校まで陸上部やってた俺でも、森の中を進むのは時間がかかる。」
足元には球状のスライム。これだけ歩いた?のに、汚れ1つ付いていない。どういう原理なんだろうか。まあ気にしないでおこう。
『この辺りで野宿するのは危険ですよ。夜の森は魔物の行動が活発になりますからね。』
「うーん……。は!火炎魔法だ!火炎魔法でスピードが速くなるやつ!あれを使おう!」
『Cクラス火炎魔法 ファイヤアクセラレートですね。確かに移動速度は速くなりますが、魔力消費が激しいですよ。』
前使った時は結構キツかったんだよなぁ……。なら、他に魔法とかは……
「鑑定、他の魔法とかで素早さを上げるものはある?」
『鑑定結果……風魔法が全体的にそうです。』
「風魔法!それ習得しようぜ!」
『鑑定結果……時間がかかりすぎますよ?そんな事より、さっさと歩いて下さい。』
俺は鑑定に窘められ、道なき道を進むのであった。
★★★
……うわ!ゴブリンだ!
2kmほど歩いた時、初めて魔物に遭遇した。
「先手必勝!ファイヤボール!」
1体だけだったので、丸焦げにしてやった。
『注意。周囲に無数のゴブリンを確認。囲まれて居ます。』
「うわ、マジかよ……。」
付近を見ると、10メートルくらい離れた四方にゴブリンの群れが。
「というか、さっきからゴブリン多すぎでしょ?それとも俺が好かれてるのかな?」
『鑑定より……敵の数が多く戦闘では不利です。魔力温存の為にも、正面突破を推奨します。』
そうだな。一刻も早く街に辿り着かないと不味いかも……。
「ファイヤボール×3!ファイヤアクセラレート!」
開幕火炎魔法を放った後、加速して包囲をかいくぐろうと試みる。
「スライム!着いてきてよ!」
大声で言うとスライムが変形してポケットの中に収まった。つくづくすげぇな。
「おりゃあ!」
ゴブリンを追い抜きざまに剣で真っ二つにする。死体には目もくれず、高速で走り続けた。
「ふう……何とか巻けそうだな……。」
その後はゴブリン達は追って来なかった。
『鑑定より……ゴブリンの追跡を振り切りまし……警告。前方にオーガが2体居ます。』
「オーガ???」
────────────────────※作者が悪いです。ごめんなさいm(_ _)m
プロットを練り直したので、しばらく安定します(多分)
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