第3話 さて、俺のスキルは......?
【スキル······鑑定】
その時、一気に曖昧な概念が具体化したような感じになった。実際に、自分の目の前に大きく【鑑定】という文字が浮かんでいる。
「え?鑑定……なんか弱そう……。」
明らかにハズレみたいなスキルで、俺はかなり沈鬱した。
鑑定……?相手のステータスや、物の状態を読み取る様な感じだっけ?それだとしても、ありふれたスキルのように思える。
いや、他の人も同じようなスキルかもしれない。ハズレではないはずだし......。
周囲の人の目の前にも、大きな文字が浮かんでいた。それらをぱっと見ただけで、
【スキル······勇者】
【スキル······剣聖】
【スキル······無限魔力】
【スキル······絶対防御障壁】
などが見える。うん、【鑑定】は絶対にハズレ枠だ。
クラスの生徒が全員で協力して魔王軍と戦うなら、俺は後方で鑑定するだけの役立たずなのかもしれない。
いや、まだ分からない。もしかしたら鑑定が強いみたいな展開があるかも知れないし。
「うぉぉ!!!すげぇ!俺勇者なんだけど!お前はなんだよ。翔太?」
「阿部田、勇者いいなぁー。俺は鬼神化だったわ。」
「私は、完全回復?優しそうなスキルでよかったー。」
いや、多分ない。皆自身の目の前に現れたスキル表示に歓喜している。俺は別。殆どの生徒が明らかにチートそうなスキルなのに、俺だけ鑑定。
転生した生徒達の間でも、俺だけ話しかけられず、ずっと1人で立ち尽くしていた。
「陰キャのゴミ崎、鑑定スキルって笑えるー。異世界でもクソ雑魚かよ。」
そんな罵る声が周囲から聞こえてくる。
はぁ……。折角異世界に転生したのにこの仕打ちかよ。まあ、落ち込まずに行こう。
「勇者様方、スキルの確認は出来ましたか?与えられたスキルは、どれも強力なものです。スキルの具体的な説明はありませんが、スキル使用を重ねることによって、どんなスキルかを理解したり、能力の向上が見込めたりします。実際に使ってみて下さい。」
お姫様が鄭重に説明した。するとクラスの、いいや学校一カースト上位の瀬戸が、突然手を前に出して念じ始めた。確か瀬戸のスキルは……
「こ、こうか?!」
彼の手のひらに、どこからともなく発生した光の光芒が集まって剣の形を成して言った。まさに光の剣。眩しい光を放っている。
「うぉぉ!凄い!!」
みんな拍手をして賞賛しだした。彼のスキルは、【
その他の人も、次々にスキルを使い始めていた。俺も【鑑定スキル】を使おうと思って、取り敢えず目上のシャンデリアを鑑定してみた。
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(試投稿 ネーミングが思い付かなかったので適宜編集します。毎日、PM6時30分投稿予定です。夏休みは毎日投稿頑張ります!)
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