第39話 冒険者ギルド②
「パーティーですか。まあ、まだ俺は冒険者じゃないんで。後で考えます。」
適当にお茶を濁しておこう。人と関わるのは好きじゃないし、疲れるからな。
「そんな事言うなよ!俺らの【】に来て悪いことはねぇぜ!何だってAランクパーティだかはよ!」
Aランクパーティがどれくらいなのか分からないが、超強い人が集まっているのは分かる。
「そうですよ。ユウキさん、いつでも歓迎しますよ。試験、頑張ってくださいね!」
優しそうな人だ。てか、パーティって2人だけなんかな。他にもメンバーがいそうなんだが。だって、2人だけのパーティって寂しくない?俺が言うことじゃないけど。
『マスターは異世界でも1人で生きるつもりなのですか?』
別に、出来れば1人がいいけど、自由に生きられるならそれでオッケーや!
「じゃあ、前向きに考えておきます。それに今は、大変な時らしいじゃないですか。」
「そうだな。じゃあユウキ、待ってるぜ!」
と2人とも言ってくれた。やさしいありがとう。
そんな風に会話をしていると、受付嬢がカウンターから出てきた。
「お待たせしました。下級薬草248束ですので、銀貨24枚と銅貨8枚でございます。」
「じゃあ、この内銀貨5枚を登録用にお願いします。」
と言い、受け取ってすぐに銀貨を出し、契約書にサインした。
「ありがとうございます。試験は本日午後2時からギルドの訓練棟で行います。ご活躍を心より願っていますよ。」
ふう……。無事に試験を受けられるようになったな。めっちゃ緊張した。腹痛い。
ってか、超腹減ったわ。なんか食べなきゃ。
ギルド内を見回すと、売店てきな所がある。そこでおいしそうなパンとかスープとかを注文して、食事にすることにした。
「異世界のご飯って、案外美味いな。中世ヨーロッパなら、もっとパン硬いと思ったわ。」
あと結構安い。おいしいパン1個で銅貨1枚だし、イートイン出来る食事スペースもあるし、隣に酒場あるらしいし、宿屋もあるし……。
ここまじで何でもある。ここに住もうかなぁ。いやガチで。ギルドとは思えないわ。建物もデカいし。
「ねぇ思ったんだけどさぁ、銀貨とか、異世界のお金の価値って日本円と比べてどうなってるの?」
『情報によると
小銅貨1枚……10円
↓10枚
銅貨1枚……100円
↓10枚
銀貨1枚……1000円
↓10枚
金貨1枚……10000円
です。』
ふーん。なら所持金は、銀貨19枚銅貨3枚で19300円か。そこそこの金額だな。
『注意。日本円に換算していますが、貨幣の価値はこの世界の方が大幅に高いですよ。』
そうなのか。原理とか経済学っぽくてよく分からんが、薬草って結構稼げるな。もう、薬草採取して一生生活しようかなぁ。
「……ってか、今何時なんだ?」
『午後1時57分です。』
「もう試験すぐじゃねぇか!!!」
なんで受付の人言ってくれなかったんだよ!お前もだ鑑定!
『あぁ、そういえばそうでしたね。』
そうでしたじゃねえ!まあいい。訓練棟って、どこ?
『その紙に載っていますよ。ギルド裏側の建物です。』
よし分かった!と俺は慌てて立ち上がり、ギルドを出て裏方の建物に入って行った。
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