第40話冒険者試験①
走って訓練棟に向かった。やべぇ。ご飯食ったばかりだから運動キツイかも。まあええか。
ギルドの裏に、それらしい建物と広いスペースがある。ここで実技とかするのだろうか。
「すみません!遅れました!」
建物の周りに誰かが2人いる。その方へ、俺は謝りながら向かって行った。
こういう時は、謝罪して焦ってきた感をイメージするのが大事なのだ。そうすれば許される確率が3パーセントアップする。
「おうユウキ!遅かったな!」
「はいすいませ……てえええ!?さっきの人じゃないですか!」
数十分前に突然一撃を喰らわされ、その後気前良さそうに話しかけてきた男の人だ!名前なんだっけ。忘れたわ。
「2分遅刻ね。この私を待たせるなんて。」
ん、誰こいつ。同年齢っぽい女子だ。かわi……いや、思考するだけでなんか罪悪感。
俺は「ちゃっす」とだけ言っておいた。
「よし!集まったな。俺は、今回試験員を担当させてもらうゲイルだ!冒険者ギルドの試験は容易なものではないが、精々努力してくれ!」
……ってか、試験受けるの俺含め2人だけなのか。すっくな!
「最初は自己紹介だ。自分の特技などを発表していってくれ。まずは、受験番号1番!」
すると隣に並んだ女子が腕を組んだまま言った。
「クレア・フィルフォードよ。特技は火炎魔法。Bクラス位の魔法なら使えるわ。」
Bクラス魔法!それに同じ火炎魔法使いなのか。
「おお、Bクラス魔法を使えるのか。そりゃあスゴい。続いては、受験番号2番!」
俺の番か。でも、2人しか居ないからあんまり緊張しないな。盛らずに、普通に言っとこう。
てか、この世界では苗字と名前を逆にして言うんだな。そうしよう。
「えっと、優希山崎です。一応、テイマーでスライム飼ってます。あと、さっきの人と同じでBクラスまでの火炎魔法が使えます。」
よし、噛まずに言えた。問題ないはず……
「Bクラス魔法を使えるって本当?あなた、弱そうだもの。」
うわ、なんか弱そうに見える要素あったかなぁ。まあええや。無視しよ。
「よし!自己紹介はこれで終わりだな。次は魔力測定だ。この水晶に手を当てて見てくれ。」
外なのに不自然に置かれたテーブルの上に、薄い青みがかった水晶球が置いてある。
てか思ったんだけど、魔力測定って水晶でも出来るのか。なら、【鑑定】いらんくね?
『鑑定では詳細に分析が可能です。また、動体や敵性魔物のステータスや状態を看破することも容易です。そんな玩具のような魔道具とは比べ物になりませんよ。』
うわ、久しぶりの長文が脳に流れてきた。鑑定さんすごいねー。
「私から行かせて貰うわね。」
といって女子の人が水晶に手を当てると、なにやら黄色に光出した。
「黄色って事は魔力値Bだな。」
魔力値Bがどんなもんか分からないのだが。
『鑑定より 魔力量150以上の場合を指します。』
ふーん。その魔力量150ていうのは、ステータスのMPの欄だよな。てかしばらく自分のステータス鑑定してないから、後で鑑定してもらおう。
「じゃあ俺、次行きます。」
てかこれ、魔力多すぎて魔力を計測する水晶が割れるっていう異世界モノにありそうなテンプレ展開なのでは!?
俺も同じように手をかざしてみた。すると、黄緑色に光出した。うわぁ、割れなかったわ。
「黄緑色ってことは、B+だな。」
B+!そこそこ高いのでは無いのか?
「嘘。水晶の故障なんじゃない?」
女子がからかうように言ってきた。でも、異世界の人って容姿めっちゃいいよな。か……何でもない。
────────────────────登場人物のキャラ設定が迷走してますが、その内安定すると思います。(多分)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます